キリンホールディングスは取手工場で一部ビール系飲料の製造を再開【震災関連速報】
キリンホールディングスは4月1日から、東日本大震災の影響で操業を停止していたキリンビール取手工場(茨城県取手市桑原)の一部で生産を再開した。3月25日に震災前に製造されたビール系飲料の出荷も再開していたが、試験的ながら生産にも着手したことで完全復旧への一歩を踏み出した。
震災でキリンが被害を受けたのは、取手工場(茨城県取手市桑原)と仙台工場(宮城県仙台市宮城野区港)の2工場。取手工場はビール貯蔵タンク3つと天井の一部に大きな損害が生じたが、より損傷のひどい仙台工場より優先して復旧作業にあたってきた。
もともと取手工場の出荷量は全体の約15%を占めており、キリンにとって柱となる工場の一つだ。ここでしか製造されていないブランドもある。代表的なものにはキリンが日本での製造・販売権をもつ「ハイネケン」。キリン広報部によれば「震災以降は在庫分しか出荷できない状態が続いている」という。順調にいけば5月初めには、震災後初めて製品を出荷できる計画だ。
ただ、すべての設備の点検が完璧に確認済みという訳ではない。現時点で再稼働しているのはビールの原材料である麦芽を麦汁にする仕込の段階であり、製造の途中段階の「ろ過」などで機械が正常に動かないリスクも残っている。
(写真は被災前の取手工場)
(張 子渓 =東洋経済オンライン)
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