「限界でもやれ」頑張り方間違えたコンサルの盲点 クライアントが真に求める「最適解」を導く方法
仕事のスピードをあげるために、各分野の「王道」を語れる人間が、社内のどこにいるのかを把握し、必要な時に瞬時にコンタクトできるようにしておこう。そんな社内有識者に力を借りることは仕事の品質とスピードをあげるために必須の手段だ。
クライアントのどこに病状(課題)があるのかを初期診断するためのチェック項目、それを踏まえた上での論点の設定、それに対してどのような解決策が有効となり得るのかの仮説出しといったプロジェクトの骨になる議論は社内有識者を含めて短期集中的に行い、ここに時間を必要以上に費やすべきではない。
例えば管理会計ならAさん、人事労務に関することならBさん、データ統合基盤ならCさん、ゼロトラストセキュリティといえばDさん、といった形で、テーマ別に誰を議論に入れれば“会社としての答え”に最短ルートで辿り着けるかを事前に整理しておこう。
有識者が社内のどこにいるのかは、社内勉強会であったり、先輩たちとの雑談であったり、会社の広報活動等で先進事例として紹介されている記事を誰が書いているのかを意識することで比較的簡単にわかることなので、普段から意識して情報収集をしておきたい。
社内有識者の力を借りることは、決してサボっているということではない。クライアントのために自分自身の脳を限界まで使うことは大事な姿勢だが、求められているのはあくまでも“コンサルティング会社”としてのベストソリューションであり、一社員個人のベストではないのだ。
クライアントはスペシャリストでもなんでもない新卒が一所懸命に考えた提案なんて求めていない。王道の施策さえよくわかっていない人間が考えたアイデアは、なんの問題解決にもならないのだ。プロジェクトのテーマに応じて、社内有識者の頭脳をフルに活用し、学びと経験知を積み重ねれば良い。誰をどの議論にどのように巻き込めばクライアントに会社全体として最も貢献することができるのか、という発想が大事なのである。
有識者ヒアリングの時間の効果を最大化しよう
社内の有識者の居場所を探しあてたら、その機会は最大限活かしたい。この時、若手社員がやりがちなミスとして、ヒアリングの目的意識を持たずにとりあえず漫然と有識者に話を聞きに行ってしまう、というケースだ。
実は、現在進行中のこのプロジェクトで困っていまして、お話を聞かせていただけないでしょうか? といった漠然とした依頼をしてしまうと、思っていた情報を聞き出せないだけでなく、有識者の心象を損ねてその後の協力を得ることが難しくなってしまう危機的状況を招くこともある。
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