小田急、今や貴重「木製マクラギ」交換訓練の狙い ロマンスカーの乗り心地支える保線係員が集結
小田急電鉄の特急ロマンスカーは新宿と小田原・箱根、片瀬江ノ島方面を結ぶ。展望席が自慢の70000形「GSE」は2023年3月に運行開始5年、地下鉄やJRに直通できマルチに活躍する60000形「MSE」は15年を迎えた。
定期運用する特急車両としては、ほかに30000形「EXE」と 、EXEをリニューアルした「EXEα」があり、それぞれ異なる乗り心地を楽しむことができる。そのロマンスカーをはじめとする小田急の電車の運行を足元で支えるのが、レール、マクラギ、道床といった線路の保守を担当する保線係員たちだ。
線路は日々メンテナンス
線路などの鉄道構造物の維持管理をする同社工務部の担当者は「電車が繰り返し走行すると、線路には歪みや損傷、摩耗などが発生します。線路が歪むと乗り心地が悪くなるだけでなく、最悪の場合は脱線事故の発生に繋がる可能性もありますし、レールの損傷も進行すれば破断して列車運行に支障が出ることから厳正な管理が求められます」と説明する。
保線係員は、日頃から線路や周辺の状況に異常がないか点検している。補修が必要と判断した場合には、部材の交換や道床のつきかためなどを実施する。が、終電から始発までの限られた時間に補修するため、日中の点検作業以外は利用者の目に触れる機会があまりない。
早春のある日の午前、神奈川県海老名市の保線専用線にヘルメット・作業着姿の十数人の係員が集合した。喜多見・大野・秦野の「工務区」と、保線重機を使って全線で作業を担当する「機械保線区」という工務技術センター所管の4区からそれぞれ3、4人ずつが参加、「合同保守作業」を実施した。
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