20代後半にぶつかる「ロールモデル不在」の高い壁 理想の人はいるが「手に届きそうな人」はいない

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その蛇行や岩にくじけずサバイブしてきたのが、今見えている先輩たちの背中。ロールモデルを見つけたとして、自分が同じ道をトレースできるわけではない。彼女たちが築いた物語を、他人の私が1段落コピペするなんて毛頭できない。

今の環境を変える覚悟もないくせに、うまくいってい(そうに見え)る先輩の話だけ参考にして、ラクになろうだなんて、人生の景色を変えたいだなんて、ずいぶん虫のいい話だ。

思い返せば、そもそも自分が今欲しいものも、いつか手に入れたいものも、いつの間にか見えなくなっていた。

因習的な価値観にとらわれ、自分の矮小な想像力で思いつく範囲の「既婚」「子持ち」「仕事の充実」など名ばかりのステータスに憧れていた。

この先変わる覚悟も変わらない意思も、自分のビジョンもないから、一般的にいいとされるものや幸せになれそうなものをウインドーショッピングのように眺めて、あれは欲しい、ああはなりたくないと、窓の外からつべこべ言っていただけ。

不確定要素が一番少ない安全安心な現在地にとどまりながら、いばらの道をかき分け踏みつけ進んだ先人たちの背中だけ見て、できるだけ舗装された道はどれかな~と様子をうかがっていたズルい私。

代わり映えのしない毎日を送っていると忘れがちだが、われわれは自分で考え、決断し、汗をかき、失敗を繰り返さないと、人生の舵取りの勘がにぶっていく生きものだ。ライフステージの変化やキャリアチェンジは、常に何かの終わりとともに始まる。

安全地帯にいる限り、その転機に踏み込む自信も、何かの終わりを受け入れる覚悟も生まれない。

「私の欲しいもの」を問い続ける

「ロールモデルいなくなーい?」と、馴染みのメンバーで、行きつけの店で、いつもの文句ばかり垂れ流していても一生自分の物語など進まないのだ。

そろそろいい歳というけれど
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そして不幸や不運なイベントなんて、黙っていてもいくらでも起こるけれど、思いがけないチャンスや嬉しいハプニング、想像を超えるものとの出会いなんてものは、自分から動き、巻き込まれに行った人にしか降り注がないのだった。

どうせ訪れる転機や事件を受け止めるしかない未来の自分は、せめて今よりパワーアップしていたい。

目を細めて先人たちの歩みを批評するよりも、まずは自分の足元を見て手綱を締め直し、目の前のことに集中してみよう。そして、「ちょうどいい未来」ではなく「私の欲しいもの」を自分に問い続けるほうが、納得のいく人生を送ることができる気がする。

次の一歩が踏み出せないときは、つべこべ言わずに与えられた仕事を粛々とやっていくというのも一つの選択肢だ。そこに自分の意思が伴う限り。

ジェラシーくるみ コラムニスト

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じぇらしーくるみ / Kurumi

昼はしがない会社員、夜は東大卒の夜遊び職人。恋愛や美容、女性の生き方についてWebメディアを中心に執筆。フォロワーから寄せられた悩みに答えるPodcast「ジェラシーくるみのぶったぎり!」を配信中。初の著書『恋愛の方程式って東大入試よりムズい』(主婦の友社)は、恋愛理論や人生哲学がSNSで話題となり、即重版となった。Twitterのフォロワー数は約6万人超。

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