「チヤホヤされたけど虚しい」港区女子の選んだ道 現役慶應生がルッキズムに抗い、手にしたもの

【Twitter童話 アリとキリギリス】
昔むかし、港区にアリとキリギリスが暮らしておりました。アリは桜蔭から東大落ち、キリギリスは広島あたりの女子高から指定校推薦で、それぞれ慶應の法学部政治学科に同期入学しました。アリは律法会でチー牛たちと真面目に学び、キリギリスはチャラサーとして有名なテニサーで楽しく遊んで暮らしていました。
ふたりは何となく選んだスペイン語の授業でたまに会う程度で、その割にテスト前になると図々しくノート貸してと頼みに来るキリギリスのことをアリは疎ましく思っていました。しかしそれと同時に、いつも学食のテーブルをいくつも占領するほどの友達がいるキリギリスのことを、少し羨ましくも思っていました。
キリギリスはキリギリスで焦っていました。元の顔がいいので顔選考じみたテニサーの新歓こそクリアしましたが、ふとトイレで鏡を見ると眉は濃く描きすぎだし、メイベリンで引いたアイラインは太すぎてツタンカーメン王のようだし、東京生まれ東京育ちの同期と比べると、自分はひどく垢抜けていないように感じました。