旭化成の被災4工場は4月5日から順次復旧へ、茨城・笠間の塗料原料工場は6~7月まで停止か【震災関連速報】
旭化成は4月1日、東日本大震災の影響により操業を停止している国内4工場のすべてで復旧の見込みが立ったと発表した。4月5日から順次復旧を始める。被災4拠点のすべてで生産設備の点検・整備が完了。損傷を受けた設備や電力や水道などのインフラ、原燃料の調達などを正常化させていくことで3工場は4月中に、残る1工場も6~7月ごろには操業を再開できる見通しだ。
震災の直接的被害を受けたのは、旭化成パワーデバイス(旧旭化成東光パワーデバイス)の石巻事業所(宮城県石巻市須江字関ノ入)、旭化成建材の境工場とネオマフォーム工場(いずれも茨城県猿島郡境町)、旭化成メタルズの友部工場(茨城県笠間市大古山)の4工場。それぞれ地震の激しい揺れによる建物や設備の損傷や、停電や断水といったインフラの断絶などによって、震災直後から操業を停止している。
電源系LSI(大規模集積回路)を生産する石巻事業所は津波被害が甚大だった石巻市内に立地するものの、工場は高台にあるため、津波による直接的な被害は受けなかったという。建屋内装や生産設備の一部損傷があったが、4月5日より部分的に操業を再開できる見通しとなった。操業再開後、順次可動範囲を拡大していく。
旭化成の住宅「ヘーベルハウス」に使われるALC(軽量気泡)コンクリートを生産する境工場は4月中旬から、フェノールフォームと呼ぶ断熱材をつくるネオマフォーム工場は4月下旬からそれぞれ順次生産を再開する。
友部工場は塗料の原料となるアルミペーストを生産している。被災拠点の中では最も設備の損傷が大きく、操業再開には2~3カ月を要する見込みだ。
ただ、いずれの生産拠点も電力や原材料の調達、物流機能次第では不安定な操業となる可能性も残されている。しかしながら、震災の直接的影響によって操業を止めた生産拠点すべてで復旧の見込みが立ったことは明るいニュースだ。
(武政 秀明 =東洋経済オンライン)
(写真は被災前の旭化成パワーデバイス石巻事業所)
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