フィアット「デュカト」キャンピングカーの新機軸 国内メーカーが一斉に発表、注目を集める理由

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グランクルーズWD
岡モータースが出展したグランクルーズWD(筆者撮影)

今回出展されたデュカト・ベースの新作キャンピングカーたちは、トイファクトリー製以外のモデルでも、1200万円前後の価格帯が多かった。これは、トヨタの「コースター」などをベースにしたバスコン(バスコンバージョン)とよばれる高級キャンピングカーの価格帯が1400万円以上であることを考慮しているのかもしれない。これらマイクロバスがベースのモデルは、当然ながらデュカトより室内が広くなるし、そのぶん、さまざまな装備が搭載できることで快適性も高くなる。デュカト・ベースの国産モデルでは、どちらかといえば、ハイエースの高級モデルに近い価格帯とすることで、より買いやすさをアピールし、広いユーザー層に訴求したいのだろう。

国産モデルと輸入モデルでの違い

ツインスポーツ640SG
アドリア製のツインスポーツ640SG(筆者撮影)

一方、同じデュカトをベースとする海外製の輸入キャンピングカー。例えば、岡山県を拠点とする「デルタリンク」が出展した、スロベニアのアドリア製「ツインスポーツ640SG(TWIN SPORTS 640SG)」というモデルの場合、オプションなどを装備した展示車両の価格(税込)は1797万3780円。今回紹介した国産モデルと同じバンコン(バンコンバージョン)仕様ながら、価格帯は上だ。

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ただし、アドリアは、国内でも「高級な輸入モデル」として愛好家の間ではよく知られているメーカー。しかも、これらモデルを購入するユーザーには、「高くても気に入れば買う」といった富裕層も多い。そう考えると、今回登場した国産のデュカト・キャンピングカーがブランド力の高い欧州製モデルと、価格帯だけでなく、質感や使い勝手などで、どう対抗していくかも気になるところだ。

いずれにしろ、デュカト・ベースの国産キャンピングカーは、注目度的にはかなり高いことだけは確か。今後、これらモデルが、どのように市場へ受け入れられるのか気になるところだ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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