フィアット「デュカト」キャンピングカーの新機軸 国内メーカーが一斉に発表、注目を集める理由

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ポップアップルーフ(
オリジン5.4の展示車両に装着されていた、オプションのポップアップルーフ(筆者撮影)

ただし、オリジン5.4の展示車は、オプションのポップアップルーフも装備する。これは、停車中にルーフ部を上方に展開することで、テントのような就寝スペースができるシステムだ。ポップアップルーフ部に大人2名が横になれるので、オリジン5.4の場合、就寝人数を最大4名に拡張できる。また、走行中はルーフ部に収納するため、風の影響も受けにくく、安定した走りが可能となる。ちなみにポップアップルーフは、ほかの2モデルにもオプション設定されており、装着すればユーロバーデン5.4で最大6名、ダビンチ6.0では最大4名が就寝できるようになる。

断熱技術
トイファクトリーの断熱技術(筆者撮影)

さらに、これらモデルには、同社がハイエースのキャンピングカーで培った断熱加工の技術が随所に投入されている。サイドやリアの窓には断熱アクリル2重ウィンドウを採用。室内の天井・壁面には断熱セラミック塗装などを施したほか、フロントガラス全面には、停車中に展開できる断熱シェードなども装備する。加えて、天井や床には、従来の断熱加工に加え、新素材のインシュレーションウォールを採用。軽量かつ防湿性や断熱性、緩衝性などに優れた素材を採用することで、外気による天井面や床面から伝わる暑さや寒さを遮ることが可能だ。とくに冬場などは、車内からの放熱を抑えることで、保温効果も生み出す。

日本人に合わせたキャンピングカー仕様

オリジン5.4のインテリア
オリジン5.4のインテリア(筆者撮影)

トイファクトリーの担当者によれば、これらモデルの大きな特徴は、こうした断熱技術に加え、「欧州風の高級感を出しながらも、日本人の体格に合わせた装備で使い勝手も考慮したこと」だという。3モデルともに、ドイツの高級キャンピングカーメーカーとして名高い「ハイマー」の元デザイナーと、同社デザイナーが共同で設計。家具には、前述のとおり、イタリア製を使用するが、すべて一から設計しなおすことで、軽量化も実施。定評があるデュカトの高い走行安定性を犠牲にすることなく、快適性も追求している。また、キッチンのカウンターなどは、日本人の体格に合わせた高さやサイズを設定。これらにより、欧州製の輸入キャンピングカーに負けない豪華さを持ちながらも、日本のユーザーを考慮した利便性も両立するという。

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