「急に老け込む人」「若々しい人」決める食事の差 医師「卵は毎日食べてほしいスーパーフード」

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最近の研究では、年配になると、テストステロンの分泌量が増えるとの報告もあり、65歳ごろになると、男女のテストステロンの分泌量はあまり変わらなくなるともいわれています。

この「人が若々しさを保つカギ」となるテストステロンのもととなるのが、コレステロールとタンパク質です。

テストステロンの原料は、コレステロールですが、コレステロールからテストステロンが生成される際、その変換にタンパク質が必要です。

またタンパク質は、皮膚や毛髪、骨や歯、筋肉や内臓、血管、免疫細胞、酵素など、あらゆる細胞や物質の材料ですので、タンパク質が不足するとテストステロン不足だけでなく広範囲にわたって悪影響がでます。

コレステロールはホルモンのもと

これまで、コレステロールはどちらかと言えば悪役であり、摂りすぎはよくないとされてきました。しかし、コレステロールはホルモンのもとであり、体内で重要な役割を果たしています。

たとえば、「自分は健康に気を遣っている」と自認するある患者さんは、コレステロールの摂りすぎに日ごろから気をつけており、健康診断の結果でも総コレステロール値がつねに低いことに安心していました。

しかし、60歳を過ぎたころから意欲や気力・体力の低下を感じるようになり、それが長引くため、気になって内科を受診し血液検査を受けたそうです。

検査では、特に異常は認められないとのことでしたが、後日、やはり気になるからと当院にお越しになったため、検査したところ、遊離テストステロン値が低下しており、同時に総コレステロール値が150mg/㎗と、明らかな低下が認められました。

「コレステロールの値は低いほうがいい」と思っている方は多いかもしれませんが、述べたとおりテストステロンの材料はコレステロールです。あまりにコレステロールの摂取量を減らすと総コレステロール値が低下し、テストステロンの材料が不足し、倦怠感、やる気が出ない、体力の低下などの症状が起こるLOH(加齢男性性腺機能低下)症候群に陥ってしまいます。

また、テストステロンを体内で産生するために重要なタンパク質ですが、厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によると、タンパク質は、1.0g/体重(㎏)/日以上摂取することが望ましいとされています。

つまり、体重が60㎏の人であれば、一日に60g以上。

100g当たりのタンパク質含有量は、牛肉、豚肉、鶏肉が20g程度、豆腐が5g程度ですから、意識して食事をとらないと、慢性的に不足という状態に。

次ページ日頃、どれくらいタンパク質を摂取しているか見直そう
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