Z世代の若者はなぜ「子どもがほしくない」のか 「子育てにお金がかかるから」説に異議あり!

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2つ目は、調査対象者の設定についてである。「全国の18歳から25歳までの未婚で子どもがいない男女457人」。つまり、未婚で子どものいない人がサンプル集団だ。ということは、すでに子育てしているZ世代は除かれている。よって、「Z世代の約5割が子どもを望んでない」と発信するのはミスリードといえる。

第一子出生年齢の平均値は年々上がっている。とはいえ、25歳までに第一子を出産する女性は、子どもを持つ総数の20%を超える。社会全体では平均的な出産年齢(30歳前後)を想定した支援策ばかりが目立つが、もっと若いうちから子育てを始める人たちへの理解や支援も充実させるべきだ。18歳から25歳といえば大学生や大学院生が該当するが、私自身これまで15年間大学に勤めていて、そういった支援策をまだほとんど聞かない。

「若者の貧困化」は本当の原因ではない

そして3つ目に考えたいのが、なぜ今の若者の多くは子育てしたくないか、だ。いっぱい書きたいことはあるが、紙幅の都合上、論点を(多くの識者が論じている)お金に絞ろう。

BIGLOBEのデータによると、「子どもがほしいと思わない理由」として、「お金の問題」を選択したのは17.7%だ。同様に「お金の問題以外」を42.1%が、「両方」を40.2%が選択している。つまり、57.9%(17.7+40.2)の人が、お金が課題だと回答していることになる。

「結婚・出産を控える最大の要因は経済的な貧困化にある」。こういった指摘は以前からされていて、BIGLOBEの調査結果もこれに符合する。政策上は、これらの結果を受けて、経済的支援の充実を検討する構造にある。

ただ、ちょっと待ってほしい。ここにはまだ疑問の余地がある。論点を浮き彫りにするために、あえて言い方を変えてみよう。

「今の若者は、もう少しお金があったら結婚・出産する人が増える」

あなたはこの仮説の真偽をどう考えるだろうか?

若者たちの間で「〇〇離れ」が進んでいるという。クルマ離れ、旅行離れ、お酒離れ、恋愛離れ、結婚離れ。これらの主な原因として「若者の貧困化」を挙げる人がいる。

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