管理職は「人を管理する仕事」という残念な勘違い 心理的安全性を高める管理職に共通する視点
これらはたとえ話ですが、僕が言いたいのは、「人を管理する」ことは、「人を“もの”として扱う」ことと同じだということです。
あなたの組織にもいませんか? まるで“もの”のように「人もコントロールできる」と勘違いして、「こうすればいいのに、なぜそうしないの?」と自分の考えを押しつけたり、「お前はこうだからダメなんだ」と一方的に決めつけたりするマネジャーが。
相手に対して怒鳴ったり、プレッシャーをかけたりして、自分の意に沿わせようとする。僕はこれが「人を管理する」ことだと解釈しています。
日本の企業では、「人を管理することが管理職の仕事」だと勘違いしている人が多いようです。
人を「管理」するのではなく「支援」する
本来、人は管理するものではありません。
では、管理職は何を管理するのかといえば、仕事をする「人」ではなく、仕事をする「プロセス」であり、その先にある「結果」です。結果を生み出すために必要不可欠なリソースを管理し、結果を生み出すまでのプロセスを管理します。目標設定をメンバーと一緒に行い、その目標達成のために、「いつまでに何をするか」を管理していきます。
そして目標達成が難しそうな場合は、目標を下げるか、メンバーの行動変容を促すことで、目標達成を目指すのです。
そこで、こんな疑問が湧いてきます。
「メンバーの行動変容を促す」と述べましたが、メンバーの行動を変えさせようとするのは、「人の管理」ではないのか。
もっともな疑問です。「もっとしっかりやれ」と叱咤激励したり、「目標達成しなければ評価に響くぞ」とプレッシャーをかけたりするのは、「人を管理している」と言われても仕方ありません。
では、どうするのか。
メンバーを目標達成に導くのに、管理しなくても「支援」することはできます。
「この目標を達成するには、このレベルまで持っていく必要があります。今、ネックになっていることは何ですか? 僕にできるサポートがあれば、何でも言ってください」
このように、ゴールまでの障害を取り除き、あるいは足りないリソースを提供して、目標達成しやすい環境を整えていくことこそ、マネジャーの仕事なのです。
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