ところが、そこからまったくLINEは送られて来ず、4日後に、えみから「お仕事お忙しいですか?」とLINEを入れてみると、「忙しいです」という1行の返事。
そこからまったく連絡がなかったので、翌週、「今週末、お時間あるようでしたらお会いしませんか?」とえみが入れると、「今週末は、忙しいです」との返事。そこで、えみはすっかりしらけてしまい、よしのりから連絡が来るまでは、こちらも動かないことにした。
しかし、お見合いから1カ月後、しびれを切らしたえみは、「そろそろお会いしませんか?」とLINEを入れた。結婚相談所では、交際になったにもかかわらず、一度も会わずに“交際終了”を申し入れると、ペナルティが発生するからだ。なぜ、こんな取り決めがあるかというと、1つひとつの交際を大切にし、なおざりにしないためだ。
えみは、とにかく一度は会って交際終了を出そうと思った。そしてお見合いから5週間後の週末にやっとランチにたどり着き、それを終えて交際終了を出した。
えみは、私に言った。「ファーストコールの後、LINEのQRコードを送ってきた以外は、一度もご自分から連絡をしてこられませんでした。この1カ月ちょっとの間、私がLINEを送ると、数行の返事が来るという状態。ご自分からコミュニケーションを取ろうとしない方が、なぜこの活動をしているのか不思議でした」。
実はこうした男性は、相談所内に一定数いる。年齢的に漠然と結婚したほうが良いと思っているのだが、これまで女性とお付き合いした経験がないので、やり方がわからない。親が独身の息子を心配して、相談所に入れているケースもある。
こうした男性たちは、婚活サイトに登録してお見合いを繰り返していれば、いつかは結婚できると思っているのだろう。しかし、お見合いをしただけでは結婚ができるはずもない。婚活で結婚できる男女は、数多くのお見合いが組める人ではなく、お付き合いに入ってから、2人の距離を縮めるための行動が起こせる人なのだ。
真剣交際に即答しない相手は?
結婚相談所には、仮交際と真剣交際の区分がある。仮交際は、お相手の人柄を見る期間と考えられているので、新しいお見合いもできるし、複数の相手と仮交際をしてもいい。その中で、“この方となら、結婚に進める”と判断した相手と “真剣交際”に入る。
真剣交際は結婚を前提にした交際なので、向き合うのは1人だけ。新しいお見合いは出来なくなるし、複数と仮交際をしていた場合は、他の人には“交際終了”を出す。
さとる(38歳、仮名)は、さゆり(32歳、仮名)とお見合い後に仮交際に入り、すでに3度のデートを重ねた。さゆり以外に2人の女性と仮交際をしていたのだが、さゆりとファーストデートを終えたときに、「他の2人よりも話が合うし、一緒にいて楽しい」という理由から、2人には交際終了を入れ、さゆりだけに絞った。
さとるとしては、3度目のデートを終えた時点で、さゆりと真剣交際に入りたいと思った。ただ、さゆりがほかの男性とも仮交際をしているかもしれないので、それとなく探りを入れてみた。
「さゆりさんは、僕のほかに今、交際している人がいますか?」
「いませんよ。さとるさんだけです」
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