高知東生「虚飾と暴力」を経て辿り着いた安息の地 明かせなかった本名、弱さを隠して暴力に走る

✎ 1〜 ✎ 24 ✎ 25 ✎ 26 ✎ 最新
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

どのような理由であろうとも、犯罪は犯罪だ。だが、ささいなきっかけが大きな失敗につながるということを、誰よりも身に染みているのは、ほかならぬ高知さん本人だろう。

「タチが悪かったのは、僕は(薬物に)手を出したり、出さなかったりだったということ。自分の心の状況や環境がすごく影響していました。人間関係や目標が充実していると、まったく手を出そうという気にならなかった。言い訳がましく聞こえたら申し訳ないのですが、芸能界に入って10年くらいは一度も手を伸ばしていなかった」

しかし、本当の自分を見失い、ストレスがたまり始めると、表面張力だけでは抑えられなくなった。ときには、暴力にも走るようになったと伏し目がちになって顧みる。

「僕の場合、弱さを隠して、暴力に走ることも珍しくなかった。ケンカで負かすことで、どこか気持ちを紛らわせていました。それでもダメなら薬物だった。本当に自分に正直じゃなかった。作り繕って、そのときに合わせていろいろな服に着替えては、他人の目を気にしていた。どれが本当に自分の好きな服なのかわからなくなっていた」

逮捕の瞬間、「来てくれてありがとうございます」

そして、2016年6月、高知さんは愛人とホテルにいるところを覚醒剤と大麻の取締法違反の容疑で逮捕される。逮捕の瞬間、麻薬取締官に対し「本当に来てくれてありがとうございます」とこぼしたのは、これで薬物とは手が切れると思ったからだ。

懲役2年、執行猶予4年の判決がくだされ、自身を見つめなおす日々が始まった。

次ページ更生に手を貸してくれた人
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事