新幹線の開業効果について、「所要時間の短縮」とあわせて「安定・安全性の向上」にも、大いに注目したい。
明治期に誕生した線路を発展、改良させながら使っている在来線に対し、最新の技術、考え方で新たにつくった新幹線は、雪に対しても雨に対しても、運行の安定性は段違いだ(最初の新幹線である東海道新幹線では、雪に対しても雨に対してもトラブルがあったが、以降の新幹線にはその教訓が生かされている)。
北陸新幹線は2024年春、金沢駅から福井駅、そして敦賀駅(福井県敦賀市)まで延伸開業する予定。この新幹線の冬における安定性が北陸三県に定着し、そのことの認知が広がれば、「冬の北陸は雪が心配」という考えは薄らいでくるかもしれない。少なくとも、ひとつの旬である「冬の北陸」をより楽しみやすくなるのは、間違いないだろう。
また敦賀駅への延伸開業で、富山、金沢、福井の三県都は最速44分で結ばれる見込みだ。富山―金沢―福井間は、北陸新幹線では130km少々。東海道新幹線の静岡県内(熱海―浜松間は143.5km)と似たような距離でしかない。
敦賀延伸開業でどう変わるか?
「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」実施期間中の「冬の北陸」は、観光客が比較的少なく、落ち着いてその美しい景色、美食を楽しめるエリアだ。しかも越中八尾など、キャンペーンでお得なクーポンが用意されている場所もある。
ただ、2024年春の北陸新幹線敦賀延伸開業で、どう変わるか。旅先の候補として「北陸」は注目されるだろうし、「冬の北陸」でも新幹線中心の旅なら、それほど心配はいらなさそうだ。
ゆっくり「北陸」を楽しむのであれば、早いうちが……と、いまこの記事を書きながら、改めて思っている。もっとも北陸新幹線の延伸開業後も、喜々としてそれに乗りに行くわけではあるが。
見どころいっぱい「冬の北陸」
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JR西日本の観光列車「花嫁のれん」デザインの西日本JR
バス。貸切運行などで使われる(写真:恵 知仁)
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福井県勝山市「花月楼」。明治30年に建築された有形文化
財の元料亭で、郷土料理が味わえる(写真:恵 知仁)
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「傘天井」と呼ばれる珍しい構造をした、福井県勝山市「花
月楼」(写真:恵 知仁)
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福井県勝山市「花月楼」では、同市の郷土芸能「勝山左義
長」を体験できる(写真:恵 知仁)
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福井県勝山市「花月楼」で提供される食事「釜炊きボッカケ
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福井市「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」。戦国時代の城下町跡が
残る(写真:恵 知仁)
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戦国衣装の着付け体験(要予約)ができる福井市「一乗谷朝
倉氏遺跡博物館」(写真:恵 知仁)
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福井市「一乗谷朝倉氏遺跡博物館」の屋内には、その建設工
事中に発見された遺跡が残されている(写真:恵 知仁)
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福井市一乗谷にある朝倉氏5代目、朝倉義景の館跡
(写真:恵 知仁)
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石川県の伝統工芸「九谷焼」に触れられる小松市「九谷セラ
ミックラボラトリー」(写真:恵 知仁)
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石川県小松市「九谷セラミックラボラトリー」では、絵付け
体験も可能(写真:恵 知仁)
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兼六園に隣接し、金沢城を望む場所にある「兼六園茶屋 見
城亭」(写真:恵 知仁)
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石川県金沢市「兼六園茶屋 見城亭」では、ライブキッチン
も楽しめる(写真:恵 知仁)
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石川県金沢市「兼六園茶屋 見城亭」で味わえる、地元の海
の幸、山の幸を取り入れた料理(写真:恵 知仁)
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雪景色のなか、ライトアップされる「日本三名園」のひと
つ、石川県金沢市の「兼六園(写真:恵 知仁)
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めぐみ・ともひと / Tomohito Megumi
鉄道を中心に、飛行機、船といった乗り物全般やその旅について、取材、記事執筆、写真撮影、書籍制作などを行ってう。子供のころからの鉄道好き、乗り物好きで、日本の鉄道はJR線、私鉄線ともすべて乗車(完乗)。2014年にウェブメディア「乗りものニュース」を創設し、約6年間、初代編集長を務めた(現在、そのメディアならびにその運営会社とは無関係)。2級小型船舶免許取得。早稲田大学第一文学部卒業。
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