新幹線敦賀開業で「冬の北陸旅」敬遠はなくなるか 開業から8年間で雪による運休はわずか19本

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大雪の中を疾走する北陸新幹線の車両(写真:ヒロ//PIXTA)

JR西日本、JR東日本、JR東海が例年、冬期間に「Japanese Beauty Hokuriku キャンペーン」を実施している。三大都市圏から北陸三県(富山県、石川県、福井県)への観光誘客を図るため、北陸三県誘客促進連携協議会と連携して行っているキャンペーンで、2004年にスタート。今回も2022年12月1日から2023年3月31日まで実施中だ。

なぜ毎年冬に、北陸への旅をうながすのか。確かに、カニや寒ブリといった海産物、雪景色、温泉など、北陸にとって「冬」はひとつの旬である。しかし、そうかんたんな話でもなさそうだ。富山県、石川県、福井県とも、観光客数は冬が最も少ない。

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旅先の候補から外れる「冬の北陸」

コロナ禍の影響を避けるため、あえて少し前のデータ(2019年)で、季節別の観光客数を見る。

富山県の場合、4~6月は981.8万人、7~9月は976.9万人であるのに対し、10~12月は644.6万人、1~3月は496.8万人(富山県観光・交通振興局観光振興室・〈公社〉とやま観光推進機構「令和元年富山県観光客入込数等」観光客入込総数〈延べ数〉)。

石川県の場合、4~6月は773.5万人、7~9月は680.4万人であるのに対し、10~12月は563.5万人、1~3月は472.4万人だ(石川県観光戦略推進部「統計から見た石川県の観光 令和元年」観光入り込み客数〈推計〉)。

福井県の場合、3~5月は973.7万人、6~8月は1023.7万人、9~11月は926.4万人であるのに対し、12~2月は562.1万人だ(福井県交流文化部観光誘客課「令和元年 福井県観光客入込数〈推計〉」観光客入込数〈延べ人数〉)。

集計方法の違いなどから各県の単純な数値比較はできないが、どの県も、冬季が最も観光客が少ないことは共通している。

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