日経平均への「下落圧力」がジワジワ強まってきた 楽観すぎたアメリカ株の調整に日本株も追随へ

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一時は強気の声が聞かれたアメリカ市場。だが直近では調整色が強まっている。日本株も追随するのだろうか(写真:ブルームバーグ)

アメリカの株価が、次第に調整色を強めている。先週末(2月24日)のNY(ニューヨーク)ダウ工業株30種平均は3万2817ドルで引けた(終値ベース、以下同様)。直近安値の3万3045ドル(1月19日)を下抜けてしまい、その前の安値3万2758ドル(昨年12月19日)も割り込みそうな気配だ。

一方、ナスダック総合指数も、エヌビディア株の(業績内容ではなく株価の)孤軍奮闘を打ち消して、先週末は1万1395ポイントで週を終えている。NYダウは直近高値(3万4246ドル、2月13日)から3.5%の下落、ナスダック総合指数は直近高値(1万2201ポイント、2月2日)から6.6%の下落だ。

アメリカ株が調整色を強めているのは当然

筆者はアメリカ株の今年前半における下落シナリオを唱え続けてきたが、年初来の堅調推移は過度の楽観によるものだったといえそうだ。とくにナスダック総合指数は、1月は大きく戻ったが、昨年末までの下押しの単なる反動にすぎなかったと位置づけるべきだろう。

もともと、今年央までのアメリカ株の下落とそれにつれての主要国の株価の軟調展開を予想していたのは、前回のコラム「方向感のない米国株式市場を読む2つの重要指標」でも述べたように、逆金融相場から逆業績相場にバトンタッチする形で、株価が押し下げられ続けると見込んでいたことによる。

前回のコラムの要旨は、以下の(1)と(2)のとおりだ。つまり、昨年まではインフレ懸念が台頭し、長短金利がどんどん上昇するとの不安が市場を支配していた。そのため、(1)「逆金融相場」(長短金利上昇による株価下落)の様相が濃かった。

これがいったんの株価の戻りを経たあと、2023年は次第に景気や企業業績の悪化が鮮明になっていき、(2)「逆業績相場」(企業収益の減益による株価下落)に移行するだろう、という見解である。(1)(2)のどちらにせよ、株価下落圧力となるので、アメリカ株が最近調整色を強めているのは当然だと考えられる。

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