日経平均への「下落圧力」がジワジワ強まってきた 楽観すぎたアメリカ株の調整に日本株も追随へ

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さて、日本株の先行きはどうだろうか。日経平均株価を見ると、1月24日に「ポン」と2万7000円台に跳ね上がったあと、「上値は重い」などと言われながら、一時は2万7900円に迫った局面があった。逆に、下押ししても2万7000円を割れていない。かなり堅調な株価推移だといえる。

その背景要因としては、日本発の悪材料が少ない(悪材料は海外経済の悪化など、国外発)という点も指摘できるが、これまで述べてきたような、アメリカ市場の相場つきにもあると考える。

すなわち、依然として金利上昇懸念による逆金融相場の色合いが濃く残っており、そのためアメリカの株価は下落色を示している(日本株にとっての悪材料だ)。だが、今のところは金利先高観がドル高円安を生じて本邦輸出企業の収益の下支えになるとの期待が広がっている(日本株にとっての好材料である)形で、日本株が崩れにくいのではないだろうか。

アメリカ株に追随する形で日本株も大きく下落へ

しかし、アメリカ経済はこれから悪化の様相を顕著にしていき、逆業績相場の色彩が濃くなるものと懸念する。そうなれば、アメリカの株価下落とドル安円高が同時進行し、日本株は大きく下落していくだろう。

筆者が「アメリカが景気後退に向かっていく」と予想する主要因は、金融引き締めだ。引き締めについては、金利水準の引き上げ(利上げ)ばかりに注目が集まっているが、資金量の面での引き締め(量的引き締め)も注視すべきだ。

中央銀行が散布している資金量を「マネタリーベース」と呼ぶが、同国のマネタリーベースの前年比は昨年4月からマイナスに落ち込み、最新の昨年12月時点のデータでは15.7%減となっている。

それ以上に重要なのは「マネーストック」、すなわち経済全体に出回っている資金量だ。マネーストックは、もちろんマネタリーベース増減の影響を受けるが、政府による資金放出・吸収や民間部門における資金回転の速度などにも左右される。

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