6月~販売、晴海フラッグ「タワー棟」"買い"なのか 2023年の「マンション市況」はどう動くのか

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金利の動向も気になるところだ。日銀は2022年末、長期金利の上限を、これまでの0.25%から0.5%への引き上げを行った。事実上の利上げである。2月には元日銀政策委員会審議委員で共立女子大教授を務める植田和男氏が日銀新総裁に起用されると報じられた。

現状では「金融緩和路線継続」の重要性を主張しているとも伝えられているが、実際に総裁就任後にどのようなスタンスを取るのかは判然としない部分も大きい。

また1月に住宅ローンの固定金利が引き上げられたものの、変動金利のローンを利用している方も多く、都内に関しては市場が崩れるようなことは考えにくい。ウクライナ侵攻や人手不足などに起因する建築費の高騰も続いている。

特に「HARUMI FLAG」のような湾岸エリアや都心部などの人気エリアには、インバウンド需要の復活も期待できる。引き続きマンション価格は好調を維持する可能性が高いと思われる。

購入を検討している人は市況に左右される必要はない

だがそれ以外のエリア、都心部から離れた箇所、また中古物件に関してはインバウンド需要のニーズなどがない場合、価格は足踏み状態で調整局面を迎える確率が高まってくるだろう。2023年末にかけて、緩やかに下落していくことも予測される。とはいえあくまで緩やかな傾向であり、総合すると際だった変動はないという見方もできる。

実際に2023年、新築、中古マンションの購入を検討している方は、市況に左右される必要はない。自分が希望するエリアにおいて適正価格なのかどうか、ライフスタイルを鑑みて間取りや広さについて熟慮することが大切になる。その結果、希望する条件に見合っているのであれば、市況には関係なく購入するのも一案である。

逆に、購入への焦りから慌てて購入する必要もない。市況や外的要因に影響されるのではなく、「自分たちが住居に何を求めているのか」を今一度、じっくり検討することも選択肢だと心得たい。

長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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