「電気代・ガス代」を節約するほんの少しの工夫 「エアコン、風呂、キッチン」でできること
ファイナンシャルプランナーの黒田尚子さんは「情報共有が大事」と強調する。
「電気・ガス代が前年同月比でどれくらい変動したか、一覧表を見えるところに貼っておく」
値上がりをだれもが一目瞭然にすれば、「照明の消し忘れ」「テレビのつけっぱなし」「エアコン温度の高め設定」「何度もお風呂の追い焚きをする」といったこまごました、しかし確実に電気・ガス代が上がる行動を家族みんなが慎むようになり、「節約に協力してくれない」といったイライラは消失する。
さらに「家庭で契約している電気アンペア数の見直しがされていない」と指摘。子供の巣立ち、またはさまざまな事情で家に住む人数が変わっているのに、アンペア数がそのままになっていないか?
「人数が減れば電気使用量が減る。アンペア数を少なくでき、基本料金が下がります」(黒田さん)
家庭での夏と冬の電気使用量の中で最も高い割合を占めるのがエアコンだ。経済産業省「2018年度電力需給対策広報調査事業」のデータでは、1世帯の1日の電力のうち、夏はエアコンなど34.2%、冬は暖房器具が32.7%。冬の暖房器具にはエアコン、電気ストーブ、電気カーペット、こたつ、その他があり、エアコンが17%とトップ。エアコンの使い方が電気代を左右することは間違いない。
エアコンのコツ
総合空調メーカー「ダイキン工業」広報の由井明日香さんに、冬のエアコンで電気代を抑えるコツを聞いた。
「温かい空気は上昇し、冷たい空気は下の方にたまりやすい。エアコンの風向きを下向きにして床付近に温かい空気を送ることで、結果的に部屋全体を素早く暖められます」(由井さん)
エアコンの正面に空気清浄機やサーキュレーターを置き、空気をかき混ぜれば、より効率的に部屋全体を暖められる。
エアコンは起動した後、室温を設定温度に近づけるときに多く電気を使う。部屋が暖まったからといってスイッチをオフにせず、温度調節機能に任せる。30分ほどの外出はオンのままで。
加湿器、加湿空気清浄機、加湿機能付きエアコンのいずれかで湿度を高めると、設定温度が低めでも体感温度が上がり暖かく感じる。
「湿度は40~60%が適切。湿度が低いとウイルスが活性化し、高いとカビの発生につながります」(由井さん)