「電気代・ガス代」を節約するほんの少しの工夫 「エアコン、風呂、キッチン」でできること
「フィルターにほこりが堆積すると室内機が吸い込む空気の量が少なくなり、多くの電力を使う原因になります。当社の実験では、3年分のほこりがたまったフィルターを掃除すると消費電力の無駄を48.9%削減でき、電気代にして1カ月800円ほど減らせました」(由井さん)
目安は2週間に1回。フィルターを取り出し掃除機でほこりを吸い取る。台所近くのエアコンは、油分がフィルターにこびりつきほこりが取りにくいこともある。ぬるま湯に中性洗剤を溶かし、古い歯ブラシなどで優しく洗うといい。
室外機は、暖房時は室内に熱を送り込み、冷房時は室内の熱を屋外に逃がす働きを担う。室外機の周囲に物を置いていると、この働きがうまくできなくなり、消費電力が増える。
「断熱性に優れたカーテンやシートは、窓から温かい空気が逃げたり冷気が入ったりするのを防いでくれます。日中、日当たりのいい時は、カーテンを開けて熱を部屋に取り入れてください」(由井さん)
筆者が昨年末、実家に帰ったところ、窓にプチプチシート(気泡緩衝材)がカーテンのように吊り下げられていた。老親曰く「夜、シートを閉めておくと部屋が暖かい」。
風呂とキッチンで
「家族全員で取り組めることとして、お風呂とキッチンでどう節約するかが、ポイント」
こう言うのは、電気代やガス代の比較サイトを運営する「エネチェンジ」広報の中田都季子さん。お風呂では、すでに軽く触れたが、何度も追い焚きをするとガス代が上がる。「家族が立て続けに入る」「蓋をする」「残った湯は洗濯に使い、新たに給湯」といった方法が有効。
「追い焚きを1日1回少なくすると、資源エネルギー庁によれば年間6190円のガス代節約になるそうです」(中田さん)
乾燥機能にも気をつけたい。洗濯物の乾燥に浴室乾燥機や洗濯乾燥機は使い勝手がいいが、電気代を考えると控えめに。
キッチンでの節約法はこまごま挙げればいくつもあるが、特に覚えておきたいこととしては「保温は電気代がかかる」。炊飯器、電気ポット、“ほったらかし調理家電”などだ。ちなみに「ほったらかし~」は、食材と調味料を入れてスイッチを押したら自動で調理してくれる、最近人気の自動調理鍋のこと。