中国「ChatGPT」偽ニュース拡散で揺れる政権対応 アメリカに対抗の一方で、懸念も生まれている
アメリカのスタートアップ企業、オープンAIが昨年末リリースした対話型人工知能(AI)「ChatGPT」が世界的に注目を浴びている。
高度な対話、文章作成が可能なことから、検索、教育、マーケティングなど幅広い応用が期待され、中国では「中国版ChatGPT」の開発競争が過熱するが、その一方で早くも同技術を使ったフェイクニュースがSNSで広がり、警察が介入する騒動も起きている。
フェイクニュースで大混乱
2月17日、浙江省の政府系放送局「浙江之声」がSNSの公式アカウントで、前日に拡散した杭州市の政策転換のニュースを「フェイク」だと打ち消した。
「(同省の)杭州市が自動車の通行制限を3月1日に撤廃する」との情報が16日に拡散したが、実際はChatGPTが作成したフェイクニュースだったのだ。
同局の説明によると、地域住民のグループチャットでChatGPTが話題に上った。ITの最新事情に詳しいメンバーが、同技術について説明するため、「杭州市が通行制限を廃止する」という設定でChatGPTにニュースリリースを書かせ、その様子を動画でシェアするとともに完成した文章を投稿した。
その後、ChatGPTを知らない別のメンバーがニュースリリースを本物だと信じ、コピペして別のグループチャットでシェアした。
杭州市は約10年前に、自動車増加に伴う渋滞を緩和するため通行制限を導入したが、ゼロコロナ政策やその後の感染爆発で走行量が減少し、最近は制限解除も期待されている。
絶妙なタイミングで投下された偽リリースは瞬く間に拡散し、ついに浙江省の広報媒体でもある浙江之声が「フェイクニュース」として否定する大騒動となった。
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