建物修繕と並行しながら…… ダイエー仙台店が震災2日後に再開できた理由【震災関連速報】

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建物修繕と並行しながら…… ダイエー仙台店が震災2日後に再開できた理由【震災関連速報】

ダイエーは東日本大震災で大きな被害を受けず、いち早く営業再開に動いた大手スーパーの一つだ。東北エリアにあるダイエー仙台店は13日朝から営業を再開、近隣に食品スーパーがなく再開一番乗りでもあったので、店頭には約3500人の行列ができた。

食料品や日用雑貨など生活必需品を中心に地下2階から1階までの3フロア営業ながら、連日1000人単位の行列ができ、客から「店を開けてくれてありがとう」と感謝の声も多いという。神戸が発祥だったダイエーは、1995年の阪神・淡路大震災でも被災。その経験が今回の対応にも生きている。


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95年1月17日午前5時46分、神戸など兵庫県南東部ではマグニチュード7.3の地震が発生。県内に49店舗あったダイエー店舗も、三宮第一店が崩落するなど、多くが被害を被った。当時もダイエーには行動規範としての地震対応マニュアルはあったが、一般企業として当たり前のレベルのもの。むしろ発祥の地の被災と、現地周辺へのドミナント出店で、会社自体が存亡の危機に瀕するのではないかとの危機感が、迅速な対応を後押ししたようだ。

阪神大震災の当日から24店舗が営業を再開、また。故・中内いさお(エに刀)社長(当時)が自ら陣頭指揮を執り、全国から物資を供給、当時さまざまな規制があった営業時間の延長や(損壊して使えない)店舗の前での販売など、被災エリアでの特例的な規制緩和を行政と交渉し実現させたことも大きい。

チェーンスーパーはライフライン

神戸での経験からダイエーは多くを学んだが、主要なポイントをいくつか挙げると、まず(1)総合スーパー(GMS)など大手チェーンは、大震災でも「被災していないエリア」を持っていること。ここから被災地への物資の供給ルートを確保すれば、震災直後から営業を再開することが可能になる。つねに明かりを灯しておくことで、地域住民の安心感と復興へ向けた勇気づけにもなる。

また、(2)被災地域住民の必要物資の重要度は、時々刻々と変化する、ということ。東日本大震災では、どの大手チェーンも当然それを念頭に対応しているが、阪神・淡路大震災の頃はまだ手探り状態。建物の修繕と同時並行しながら、商品を販売した。

当時、本社で応援社員を送り出す指揮をとり、東日本大震災でも同じ業務をこなす野口敏光・総務人事本部副本部長曰く、「当初は何よりも水と、おにぎりなどの食料が求められる。何日か経つと、温かい食べ物が欲しくなり、カセットコンロのボンベなどの需要が多くなる。1週間すれば、風呂へ入れなくても着替えたくなり、下着などのニーズが出てくる」。

仙台店の上階も、テナントや衣料品が中心のため、顧客のニーズやテナントの人員を含めた復旧度合いなどを見ながら、柔軟に再開する予定だ。

「阪神・淡路大震災以降、電力や水道、ガスと並んで、チェーンスーパーがライフラインとしてお客様に評価していただけるようになった」(野口氏)。大手チェーンでは、ウォルマート傘下の西友が、3月28日から仙台地区12店舗で通常営業としての24時間営業に復帰する。被災者も仕事に戻れば、通勤の行き帰りの時間帯は貴重な買い物チャンス。GMS各社は、こうした「平時に戻りつつある被災地域」の需要に応え続けていく。

山川 清弘 東洋経済『株式ウイークリー』編集長兼「会社四季報オンライン」副編集長

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やまかわ きよひろ / Kiyohiro Yamakawa

1967年、東京都生まれ。91年、早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。東洋経済新報社に入社後、記者として放送、ゼネコン、銀行、コンビニ、旅行など担当。98~99年、英オックスフォード大学に留学(ロイター・フェロー)。『会社四季報プロ500』編集長、『会社四季報』副編集長、『週刊東洋経済プラス』編集長などを経て現職。日本証券アナリスト協会認定アナリスト、日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト。著書に『世界のメディア王 マードックの謎』(今井澂氏との共著、東洋経済新報社)、『ホテル御三家 帝国ホテル、オークラ、ニューオータニ』(幻冬舎新書)など。

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