「プリキュア」が子育てやジェンダー描く深い理由 シリーズ開始から20年、大人からも愛される訳
「だから!私たちは!!絶対負けない!!」「自分を大切にして何がいけないのよ!」 ――。
初代の『ふたりはプリキュア』の放送から、早20年。ついにプリキュアが、シリーズ放送開始から20周年を迎えた。時代とともに、進化し続けるプリキュアはつねに話題が絶えない。
東京・池袋のサンシャインシティでは、2023年2月1日〜2月19日まで『全プリキュア展〜20th Anniversary Memories〜』が開催中だ。全プリキュアシリーズの軌跡を辿る、今回の展覧会はチケットが売り切れの状態が続く。
会場は、若い女性だけでなく、小さな子供から男性までさまざま。世代や性別関係なく、多くのプリキュアファンが訪れ、当時発売されたおもちゃを懐かしむ声や、思い出のあるプリキュアシリーズに歓喜する声であふれていた。
写真撮影がOKな展示物が多く、来場者同士で写真を撮るのに譲り合う光景は、プリキュアがアニメを通して教えてくれた思いやりの世界を体現しているかのようだった。
時代を切り開く、新しい「価値観」
プリキュアの1作目は、2004年の『ふたりはプリキュア』だ。コンセプトは「女の子だって暴れたい!」。
1990年代に放映された『美少女戦士セーラームーン』や『魔法騎士レイアース』を代表とする、「戦う魔法少女」とは、また一味違った作風だ。
『ふたりはプリキュア』は運動神経抜群で勝気な美墨なぎさと、頭脳明晰でお嬢様な雪城ほのかが、伝説の戦士・プリキュアに変身し、「光の園」を守るため、悪の組織「ドツクゾーン」を倒すストーリーだ。
素手で敵と戦い、プロレスさながらの技を繰り出す、バトルシーンに当時は驚いた人も多かっただろう。女の子だから……という概念を取り払い、衣装もピンクではなく白と黒。個性の異なる者同士が本気でぶつかり合って友情を育んでいくコンセプトは、まさにすべてが新しかった。
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