近畿日本鉄道も運行本数削減へ、震災の影響で車両の消耗部品調達に支障【震災関連速報】
近畿日本鉄道は24日、車両編成の縮小や列車本数の削減などの検討を始めたと発表した。東日本大震災の影響で、鉄道車両のモーターに使う消耗部品の調達に支障が出る可能性が出ていることから、6月ごろから通常ダイヤの列車運行ができなくなるおそれが出ている。
今後、不足が見込まれるのは、日立化成工業から調達する「直流電動機ブラシ」と呼ぶ消耗部品だ。モーターに直流電動機を使用している旧型車両に影響が出る。
近鉄は、直流電動機ブラシの調達の約7割を日立化成に頼っている。素材を製造する日立化成の山崎営業所(茨城県日立市)と、最終加工を行う浪江日立化成工業の工場(福島県双葉郡)の2工場が操業を停止しており、再開のメドはたっていない。このうち、最終加工工場は、福島第一原子力発電所の避難区域に位置し、立ち入ることができない状況だ。
近鉄は調達の約3割を担う別の業者に増産を要望するほか、代替品の調達も検討している。ただ、直流電動機ブラシを生産しているメーカー自体が少ないため、調達は難航する可能性がある。
この状態が続けば、「6月頃から一部の車両が使用できなくなり、通常ダイヤでの列車運行に支障が生じる」(広報)としている。運行休止の時期をなるべく遅らせるため、6月以前の車両編成の縮小および列車本数の削減を具体的に検討中だ。
西日本の鉄道事業者のうち、日立化成への依存度が同じく高いJR西日本はすでに、4月2日からの運行本数の削減や車両編成の縮小を決定している。
(前野 裕香 =東洋経済オンライン)
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