JR西日本は4月2日から京阪神などで運転本数10~40%削減へ。震災に伴う部品調達難が原因【震災関連速報】
西日本旅客鉄道(JR西日本)は、4月2日から在来線の列車の運行を削減することを決定した。東日本大震災の影響で、部品調達に支障が出ると判断したため。
不足するのは、日立化成が供給する直流電動機ブラシ。モーターに直流電動機を使用している旧型車両約2300両(在来線の電車約4700両のうちの半分)に影響が出る。
JR西日本では、直流電動機ブラシの調達の8割を日立化成に頼っている。素材を製造する日立化成の山崎営業所(茨城県日立市)と、最終加工を行う浪江日立化成工業の工場(福島県双葉郡)の2工場が操業を停止しており、再開メドはたっていない。このうち、最終加工工場は、福島第一原子力発電所の避難区域に位置し、立ち入ることができない状況だ。JR西日本は、別の調達先2社に増産を要望しているが、早急な対応は難しいもよう。
この状態が続けば、4月下旬から運行できなくなる車両が出てくる。運行休止の時期をなるべく遅らせるため、JR西日本では4月2日からの運行削減に踏み切った。
京阪神では、大阪環状線で、デイタイム(10時~17時頃)で20%減の運転本数になる。そのほか、大和路線やおおさか東線、湖西線などの京阪神、金沢や岡山、広島など幅広いエリアで、10~40%程度の運転本数減という影響が出る見込みだ。また、特急列車のうち、「こうのとり」「きのさき」「くろしお」「やくも」の該当車両については、編成両数を短くするなどの対策をとる。
運転本数の削減により、一時的には対処できるものの、日立化成による部品供給停止が長引けば、いずれ運行休止をせざるをえなくなる車両も出てくると見られる。
(前野 裕香 =東洋経済オンライン)
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