東大生が断言「共通テストは解きやすくなった」訳 知識ゼロでも「読めれば楽に解ける」問題が頻出

拡大
縮小

3人の生徒の会話が描かれているわけですが、これは実は会話自体がかなりのヒントになっています。文章ⅠとⅡが何について書かれているのかがわかりますし、さらに2つの文章が同じ内容というわけではなく、なんらかの相違点があるということを示しています。

先ほど僕は「共通テストのほうが問題の分量が多い」と言いました。それは実は、「ヒントが多くなっている」ということを意味しているのです。

入試でよく言われる話ですが、「問題文が短い問題」と「問題文が長い問題」だと、一見すると「短い問題」のほうが簡単そうな印象を受けるかもしれません。しかし実は、ヒントや説明・その問題から答えを導くための情報量を考えると、「問題文が長い問題」のほうが圧倒的に簡単な場合が多いのです。

このロジックで言えば、共通テストの問題の分量が多いということは、「ヒントが多い」と言えるのです。

「要するに何が言いたいか」を正確に把握する

しかし厄介なのは、ヒントをヒントとして認識するためには、その文章が何を言いたいのか、しっかりと理解する「読解力」が必要だということです。

出所:2023年度大学入学共通テスト

例えばこれは世界史の問題です。今回、世界史は前年より7点以上平均点が下がり、SNSでも「難しかった」「爆死した!」と阿鼻叫喚の嵐でした。

その理由の1つが、この問題の長さです。読むのに時間がかかって、大変ですよね。

しかし見方を変えてみると、これ全部がヒントなんです。

出所:2023年度大学入学共通テスト

例えばこの「ウ」の学問について聞いている問3は、読解ができれば知識がなくても選択肢を2つ削ることができるのです。

次ページ「読解できれば削れる」のはどの選択肢?
関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT