消えた列車内の飲食サービス「復活」はありうるか 一旦終了の東武特急は新型車両にカフェを設置
東武鉄道の日光・鬼怒川方面への特急は、車内サービスが充実していることで知られていた。看板特急の「スペーシア」は車内にカウンターを設けて飲み物や温かい食品を提供し、車内販売の基地としても機能していた。だが、現在は「SL大樹」以外での車内販売サービスを取りやめており、車内の飲料自動販売機も撤去された。
そんな中で登場するのが、新型特急「スペーシアX」だ。2017年に登場した特急車両「リバティ」は行楽と通勤の要素を兼ね備えた車両だったが、スペーシアXは日光・鬼怒川方面への観光としてどのようなサービスが提供されるのかに注目が集まっていた。
スペーシアXでは、1号車にカフェカウンターを設置することが発表された。この車両は「コックピットラウンジ」と呼ばれ、ドリンクやスナックが楽しめるようになるという。日光・鬼怒川エリアの事業者と共同開発した飲食物などを用意し、カフェメニューではクラフトビール「Nikko Brewing」とクラフトコーヒー「日光珈琲」を中心に、アペタイザーやスイーツも日光・鬼怒川エリアにこだわったものを用意する。
従来の「スペーシア」はどうなる?
一旦終了した特急車内での飲食サービスをなぜ再度提供することになったのか。東武に聞くと、「スペーシアX」では車内を「お客様と日光をつなげる発信拠点の場」としてとらえており、「その中だけで出会える日光商品、五感を刺激する日光商品を発売することで、車内での日光体験の種にしたいと考えている」とのことだ。車内で新たな日光グルメの創出や、沿線PRの場としての機能を担わせるという意図がある。
「スペーシアX」は4編成の導入予定で、従来の「スペーシア」も引き続き運行される予定だ。新型車両は少数精鋭のデラックスな列車として存在することになる。
しかし、従来の「スペーシア」で車内販売を復活させる予定は、現時点ではないとのことだ。車内での飲食サービスはプレミアムなものとして提供するという考え方である。
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