消えた列車内の飲食サービス「復活」はありうるか 一旦終了の東武特急は新型車両にカフェを設置
現時点で、定期特急列車の車内サービスの最高峰の1つは、近畿日本鉄道の観光特急「しまかぜ」だろう。ワゴン販売だけでなく、カフェ車両ではカレーやピラフなどの温かい食品も提供している。コロナ禍でも短期間中止しただけで、原則的には縮小することなくサービスを続けている。
近鉄によると、しまかぜは「乗ること自体が楽しみとなる」をコンセプトに運行を開始し、その後登場した観光特急についても同様の考えのもとで運行しているとのことだ。これらの列車は運賃・特急料金に加えて「特別車両料金」を徴収しており、付加価値を提供することが重要だと近鉄は考えている。その1つが車内の飲食サービスといえるだろう。
同様の考えで運行されている列車として、JR東日本の「サフィール踊り子」がある。全車グリーン車のプレミアム列車で、カフェテリア車両を連結しており、こちらもコロナ禍でも一時期を除き車内飲食サービスを存続した。一方で同社は、新幹線の最上位クラスである「グランクラス」の飲食サービスは縮小した。車内の飲食サービスや販売は、定期特急列車でも観光要素などのある「特別な列車」でないと成り立ちにくいという状況があるのだ。
車内販売復活の行方は?
JR東日本が車内販売でのホットコーヒーとアイスクリームを復活させたというニュースは好評をもって迎えられた。このような状況を受け、他社も復活を検討するところはないだろうか。そこで、ロマンスカーの車内サービスが好評だった小田急電鉄に「車内販売を復活する予定はあるか」と問い合わせたところ、残念ながら「その予定はない」とのことだった。
だが、新しく登場する「スペーシアX」の車内サービスや、JR東日本の新幹線のホットコーヒーやアイスクリーム販売が大人気ということになれば、車内サービスの再開を検討する鉄道が出てくる可能性もないとはいえない。コロナ禍前から終了が相次いでいただけに復活は難しいかもしれないが、今後の鉄道利用回復にその可能性を期待したい。
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