巨匠パク・チャヌク「別れる決心」で深化した真相 ミステリアスな愛の在り様を描いた「大人の映画」

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過激な暴力とエロスの表現で知られるパク・チャヌク監督。6年ぶりの新作『別れる決心』はガラリと印象の違うサスペンス・ロマンスだ(写真/トヨダリョウ)
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日本のコミックを原作にした映画『オールド・ボーイ』など、過激な暴力とエロスの表現で知られるパク・チャヌク監督。6年ぶりの新作『別れる決心』はガラリと印象の違うサスペンス・ロマンスとなりました。監督の真意を作家の樋口毅宏さんが聞きだします。

6年ぶりの新作はサスペンス・ロマンス

この春、話題の韓流映画が日本に上陸します。邦題は『別れる決心』。

本記事はLEON.JPの提供記事です

昨年5月のカンヌ国際映画祭コンペティション部門での監督賞を受賞すると、以降、世界の批評家・映画メディアから絶賛を浴び、アカデミー賞国際長編映画賞部門のショートリストに選出。第80回ゴールデン・グローブ賞の非英語映画賞(旧・外国語映画賞)、第76回英国アカデミー賞(BAFTA)の監督賞、非英語作品賞にもノミネートされました。

監督を務めたのはパク・チャヌク氏。日本のコミックを原作にした『オールド・ボーイ』(03)で第57回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。その後も『渇き』(09)、『イノセント・ガーデン』(13)、『お嬢さん』(16)など暴力とエロスと娯楽性の入り混じった独自の作風で、世界に衝撃を与えてきたパク監督ですが、今回の『別れる決心』は6年ぶりの新作です。

物語は、刑事ヘジュン(パク・ヘイル)が、崖から転落死した男の妻ソレ(タン・ウェイ)の調査を開始するシーンから始まります。取り調べが進む中で、いつしか刑事ヘジュンはソレに惹かれ、彼女もまたヘジュンに特別な想いを抱き始める……という珠玉のサスペンスロマンス。

これまでの過激な描写は影を潜めつつも、より率直に情熱的でミステリアスな愛の在り様を描いた“大人の映画”と評される今作。そのジャパンプレミアのために来日したパク監督に、こちらも独自のスタイルが際立つ小説家で、韓流映画フリークとしても知られる樋口毅宏さんがインタビューしました。 

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