“元徴用工"問題、尹政権案に見える強い決意 自民党・松川るい氏「おそらく唯一解決可能な案」

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松川るい氏(自民党外交部会長代理):そう思う。尹錫悦大統領は大統領選挙戦中から一貫して日韓関係の改善に向けて深く決意している。全然ぶれていないところは評価するべきだ。今回の解決案のポイントは、原告の同意なく政府が決めれば実行できるところにある。この案の提示に大統領の非常に大きな決意を感じる。詳細はまだ決まっていないが、この筋のどこかでしか解決できないのではないか。もちろん韓国が解決する問題ではあるが、互いに民主主義国で世論があるから、韓国がうまく解決できるように日本はできる工夫はするべきだ。

(画像:FNNプライムオンライン)

「日韓関係をよくしよう」となかなか言えない韓国社会

武藤正敏氏(元駐韓大使):この解決案しかないのだろうと思う。この解決案を出すにあたって尹大統領が何をしてきたかを見なければいけない。国内的に韓国社会の社会主義的な体質を変えようとものすごく努力している。市民団体ビジネスというのはものすごくもうかるビジネスだ。今まで日韓で合意ができても常にそれを覆して来たのは市民団体だ。それにつられて韓国政府はどんどん後退してきた。文在寅前大統領はこの市民団体ビジネスをものすごくもうかるビジネスに変えてしまった。

韓国政府の補助金がいま市民団体に5兆ウォン、5,500億円出ている。毎年4,000億ウォン、440億円ずつ増えていた。その他にも地方公共団体からものすごく金が集まる、寄付金も集まる。だから、市民団体は問題を解決させないように、させないように圧力をかけてきた。韓国社会では「日韓関係をよくしよう」とはなかなか言えない。一方で、「日本はけしからん」と誰かが声をあげると、人々がワーッと集まる、そういう社会だ。ここにメスを入れる。これは尹大統領の一番大きなポイントだ。市民団体ばかりではない、民主労総(全国民主労働組合総連盟)という過激労組に対しても同じだ。

松山キャスター:日韓間での決着に向けて、韓国側は日本政府の反省や謝罪、おわびというのを改めて求めてくるのではないかとみられている。

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