新潟・湯沢のリゾマンいきなり「爆売れ中」の真因 一時10万以下もあったが、200万超え物件も

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【2023年2月3日15時50分追記:初出時、一部情報に誤りがあったため下記のように訂正しました】

そこで同物件では使われなくなっていたレストランを改装し、コワーキングとシェアダイニングスペースを作った。湯沢町では2019年以降に廃校になった中央保育園の跡地建物を利用したコワーキング+シェアオフィスや、駅近くはシェアオフィスを併設した観光案内所、レストラン改装のコワーキングなどが続々と誕生しており、ニーズは確実にありそうだ。

コワーキングスペース
ながめのいいコワーキングスペース(写真:筆者撮影)

だが、これがすぐに他のマンションに波及するかといえば、そこには大きな障壁がある。1つは、短期に他者が入ってくることに対する強烈なアレルギー。民泊可の2棟以外はすべて管理規約や総会決議で民泊を禁止しており、コロナ禍で以前よりさらに他人を入れたくないと考えている人が増えてもいる。

建物の階数などによって消防法の規定があり、民泊として使える面積には制限があることも障壁となっている。民泊をやるために各戸や館内にスプリンクラーを設置しなくてはいけないなど、多額の支出が必要になる場合もある。

世代交代促し、維持管理を持続可能に

だが、諦めるつもりはないと冨士岡氏。コロナ禍の制限が緩和され、2023年のスキーシーズンは直前の予約が多い3月を除けば民泊の予約が好調である。前述のエンゼルリゾート湯沢は1月77%、2月71%、もう1物件は1月84%、2月87%稼働する予定だ。

この数字をベースに管理組合が所有していても使っていない部屋や、現在は所有者や友人までしか利用できないゲストルームを利用しないかと提案することを考えているという。少しでも滞在者経由で購入者を増やすことで、「使われていない部屋を次世代の所有者に渡せれば、健全な維持管理をしていけるのではないか」(鈴木氏)。

他エリアのリゾートマンションも、建て替えが難しい居住用マンションも同じ問題を抱えている。特に湯沢より5~10年早く建てられた物件が多い伊豆エリアのリゾートマンションにはそろそろ大相続時代がやってくる。世代交代が円滑に進めばいいが、それができなくなると健全な状態は保たれなくなる。その前に打つ手はないか、検討すべき時期が来ている。

中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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