新潟・湯沢のリゾマンいきなり「爆売れ中」の真因 一時10万以下もあったが、200万超え物件も
その結果、管理状態が良いマンションが多い。使っていなくても月額の費用を支払う人が多く、中には本来個人が負担するべき専有部の温水器を組合負担で交換できるほど管理費の余剰があった管理組合もあったとか。滞納が多いリゾート地もあることを考えると、湯沢の現所有者は優秀なのである。
さらに、リゾマンは使用頻度が低いため、室内、設備の状況がそれほど悪くないことも成約率の高さにつながっている。大浴場のある物件では風呂は未使用ということもあるほど。居住用で30年住んだ部屋なら抜本的に手を入れる必要があるが、リゾマンではそこまで行っていない物件もある。
スキーシーズン以外の需要も高い
3つ目は湯沢という街の特徴である。スキーの街という印象が強いが、実はそれ以外の時期でも不動産の取引はあり、年中不動産は動いていると角谷氏は話す。
「2021年の取引件数は、7月41件、8月32件でスキーシーズンの12月47件、1月34件でした。温泉、川遊びにトレッキング、釣り、ロックフェスティバル、近隣の花火大会など湯沢は夏も人が多いのです」
実際、他の温泉街に比べると地元の人が経営していることが多いせいもあってか、店は比較的開いており、加藤氏が毎晩飲み歩けるほどの飲食店もある。そうした湯沢ならではの特徴が価格上昇、売れ行き好調につながっているのだ。
だが、現状は上向きとしてもこれからも安泰というわけではない。居住用マンションでも解体+新築費用を捻出できるほど余剰床がないなどの理由から建て替えができるのはごくわずかだが、リゾマンとなるとほぼ不可能。となると、今の状態をどれだけ維持し続けられるかがポイントになるが、そこには大きな問題がある。
1つはこれまで余剰が出るほどだった管理費のこれから。すでに光熱費が大幅に値上がり、利用者がいなくても24時間使えるようにしておかなければならない大浴場を抱えたマンションは支出が増えている。築30年を超えていくと修繕費用も嵩む。
「修繕積立金は当初安く設定されていたこともあり、管理費で余剰が出ているところはそれを修繕積立金に回したり、2回目の大規模修繕を考えて修繕積立金の値上げを考えるところも出始めています」とエンゼル湯沢支店管理事業本部湯沢事業副部長の鈴木達久氏。
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