櫻井翔「大病院占拠」良い意味で期待を裏切った訳 シリアスなドラマと思っていたらどうやら違った

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おそらく制作サイドは、「菊池風磨さんがすぐに特定されるだろう」と想定していたのではないでしょうか。ある程度わかりやすい人がいるほうがネット上の書き込みは増えますし、ファンの多い現役アイドルであればなおのこと。今後も鬼を演じる俳優がすべて明らかになるまでは関心を集め続けるでしょう。

この「テロリストなのに、わざわざ仮面を色分けしている」という設定自体が「ネット上の正体当てクイズを促す」という狙いを感じさせます。フラットな目線で見たら、「仮面を色分けしたら、警察から特徴を特定され、対策を立てられやすくなる」とみなすのが自然であり、今のところ色に込めた特別な意味合いなども提示されていません。

そもそも“ノンストップ籠城サスペンス”を掲げながら、ハラハラドキドキのシリアスなドラマではなく、SNSにツッコミを入れながら楽しむ作品になっているのは、この鬼の仮面によるところも大きいでしょう。

大みそかの夜にも放送された「THE鬼タイジ」(TBS系)というアトラクション型のゲームバラエティがありますが、この特番には「大病院占拠」と同じようにさまざまな色の仮面をかぶった鬼が登場。さらに掘り下げると、「THE鬼タイジ」は子どもを主要ターゲットの1つに据えていて、シリアスなムードよりゲームとしてのエンタメ性を追求した特番です。

実際、ネット上で「(『大病院占拠』は)鬼の仮面のせいでテロリストの武器が子どものおもちゃに見える」という書き込みを見かけました。良い意味で「武蔵が死ぬかもしれない」というハラハラドキドキより、「武蔵は不死身できっと死なないだろう」という安心感を持って見られる作品となっているのでしょう。

ちなみに“仮面”という設定は、同じ冬ドラマの「Get Ready!」(TBS系)の主人公たちにも見られますが、こちらも「医療ドラマの好きな中高年層だけでなく、若年層にも見てもらいたい」という狙いが感じられます。

2時間連続・櫻井翔の編成と番宣

3つ目の理由は、過去最大級の特別な編成と番宣。

第1話が放送された14日夜、21時台の「全国ご当地ニュースバラエティー SHOWチャンネル」が、22時台の「大病院占拠」を全面的に番宣しました。

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