櫻井翔「大病院占拠」良い意味で期待を裏切った訳 シリアスなドラマと思っていたらどうやら違った

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その前後にも、「武蔵が自爆型ドローンの爆発に巻き込まれる」「3階から突き落とされて気を失うが、目を覚ました途端『何があった?』と絶叫して立ち上がり戦列復帰する」「恐怖で悪びれる土佐大輔(笠原秀幸)医師を神奈川県知事・長門道江(筒井真理子)が裏拳で思い切り殴って『黙りなさい!』と一喝する」などのツッコミを促すようなシーンが続出。

シーンだけでなく物語の設定や展開を見ても、「主人公は爆破、殴打、落下など次々に負傷するがすぐに戦線復帰する」「テロリストが主人公としか交渉しない」「人質は偶然ではなくテロリストによって選ばれた?」「人質の中にテロリストの仲間がいそう」「テロリストの目的は法で裁かれない悪に罰を与えること」「新たな危機が訪れるたびに主人公が『嘘だろ……』とつぶやく」などの定番が目白押し。視聴者が「こうなるのではないか」「きっとこうだろう」と思う方向に物語が進んでいくため、新たな発見や驚きが少ない反面、「あるある」を楽しむタイプの作品となっています。

こうして書いていくと、視聴者は「ツッコミを入れながらけなしているだけ」のように感じるかもしれませんが、決してそうとは言えません。むしろネット上には、「ツッコミながら楽しんでいる自分がいる」「いろいろ雑なのが逆に面白い」「先が気になって結局見るパターン」「1週間が待ち遠しい」などの好意的な声が目立ちます。

このような流れが生まれると、1話完結型のドラマが多い中、連続性の高い設定の「大病院占拠」はクライマックスまで盛り上がるのではないでしょうか。

“鬼の正体当て”が最大関心事に

2つ目の理由は、“鬼の正体当て”が最大の関心になっていること。

武蔵たちが戦う武装集団は色違いの仮面をかぶっていて、「口元、体形、仕草を見て誰なのか」を予想する声がネット上に飛び交い、正体当てクイズのようになっています。リーダーの青鬼こそ「誰が見ても菊池風磨しか考えられない」という状況ですが、それ以外の緑鬼、赤鬼、黄鬼、桃鬼、茶鬼、黒鬼、白鬼、灰鬼、橙鬼は、まだ「絞り切れていない」という状態。現在は願望も含め、さまざまな名前が挙がっているほか、大喜利のように楽しむ人などもいて盛り上がっています。

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