「新NISA」って何?今さら聞けない基本の基本 最小100円から、1800万円無税、旧NISAと併用可

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極端な収益至上主義も問題だが、反面、「つみたて投資枠は商売にならない」という考えが業界に蔓延したら、対象ファンドの選定基準が緩い成長投資枠に資金が集中することも考えられる。それこそ積み立てによる長期資産形成という、お題目そのものが崩れるおそれがある。その意味でも多少、アクティブ運用投信の基準を緩和させることは、十分考えられる。

一方、成長投資枠で購入できるのは、株と投信、ETF(上場投信)、REIT(不動産投信)で、これは現行の一般NISAとほぼ同じ。もっとも、株のうち整理・管理銘柄や信託期間が20年未満の投信、高いレバレッジが利く投信、毎月分配型投信は、成長投資枠では購入できない。

なお、新NISAのつみたて投資枠は現行同様、毎月の積み立て投資が前提になるが、成長投資枠は積み立て投資のほか、240万円の枠内で一括投資も可能だ。

すでに一般NISAやつみたてNISAで運用している人は、2024年から始動する新NISAには、そのまま移管できない。とはいえ2023年中に購入した分について、一般NISAは2027年末、つみたてNISAは2042年末まで、非課税運用できる。つまり2023年に投資した分は、新NISAと別に非課税が認められるため、2024年からスタートする新NISAと併用して、非課税分を増額できる。

非課税の恩恵を少しでも多く受けたい人は、2024年を待たず、今の制度で投資したほうがよい。

18歳以上からOKで若いうちに始められる

新NISAの利用対象者は、日本に住む18歳以上の成人。これまで未成年でも利用できたジュニアNISAは2023年12月末をもって終了となる。ただし、成人するまでは非課税運用ができるので、これまでジュニアNISAで運用してきた人も、またこれからジュニアNISAを利用しようとしていた人も、2023年中は非課税の80万円を運用する意味はある。

積み立て投資のメリットは、長期間を通じ安定的に利益を得ることだ。その入り口としてNISAを賢く活用していただきたい。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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