生前贈与、暦年課税と精算課税は組み合わせよ 相続前7年間に毎年110万円をどう贈与すべきか

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

一方、生前贈与には暦年課税と別に、相続時精算課税もある。60歳以上の父母か祖父母から、18歳以上の子か孫に対する贈与だ。

精算課税では累計2500万円までの贈与が非課税。贈与財産から特別控除の2500万円を差し引いた分にのみ、一律で税率20%の贈与税がかかる仕組み。ただし、親が死亡したとき、贈与財産は相続財産にすべて加算され相続税を課されて、すでに納めた贈与税額を引くようになっている。

相続発生時に加算される贈与財産は過去の贈与時の価額に固定されるので、将来値上がりしそうな不動産や株を贈与するなら、精算課税にもメリットがなくはない。従来、精算課税を選ぶと暦年課税を使えないなど使い勝手が悪く、利用する人は少なかった。

精算課税の年110万円はずっと非課税

ところが、今回の改正ではもう1つ、大きな見直しがあった。

それは精算課税にも、「毎年110万円」までの基礎控除が創設され、非課税になることだ。しかもこの金額は相続時でも持ち戻しの適用外で相続財産に加算されない。加算され贈与税がかかるのは、毎年の贈与のうち、110万円を除く贈与の累計が2500万円を超えた分である。

暦年課税でも精算課税でも、生前贈与がより複雑になったのは間違いない。以下、ポイントについて、事例を挙げて解説したい。

次ページ精算課税と暦年課税、どんな場合がお得?
関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事