IBMは、どうしてiPhoneを選んだのか

アップル×IBMの提携で始まったこととは?

2014年3月、ハノーバーでのIT見本市におけるIBMのブース(写真:ロイター/アフロ)

2014年7月、アップルが開発者向け会議で発表したIBMとの提携は、具体的なプロダクトとなって同年12月に「IBM MobileFirst for iOS」として10種類のアプリがリリースされていたことを記憶している読者も少なくないだろう。現在、その数は14本にまで増えている。

企業向けアプリケーション、サービス、クラウド構築に長けたIBMと、スマートフォンをめぐる新しいデジタル世界の覇者であるアップルが、いったいどのような成果を挙げるのかに注目してきた人は少なくないと思う。

IBMは今後も「IBM Mobile First for iOS」を充実させ、各種業務に特化した100種類以上のアプリを揃えていくというが、日本でもその成果が生まれようとしているという。14種類のアプリのうち7種類は日本語化を終え、さらに日本固有の顧客ともカスタム仕様のアプリ開発プロジェクトが進んでいるという。

企業システムはモバイル化に取り残されている

日本IBM、モバイル事業統括部で事業部長をつとめる藤森慶太氏は「日本でも2008年のiPhone 3G投入以降、とりわけコンシューマ向け電子機器、エンターテインメントの分野は市場環境が様変わりした。ところが、企業向け情報ソリューションも大きく変革したかというと、答えはノーだ。2008年より前も、後も、企業のシステムは大きく変化しなかった」と話す。

しかし、アップルとIBMが共同で開発した「IBM Mobile First for iOS」ならば、世の中を変えられると藤森氏はいう。

コンシューマ向け中心のサポート体制を採るアップルのカスタマサポートを補完するため、アップルの製品サポートプログラムを拡張し、IBMのカスタマサポートが企業顧客のための支援体制を整えることも、両者の提携メニューの中に含まれている。

加えて、IBMはすでに多くの大手顧客との間に信頼関係を築き上げており、クラウドプラットフォームを通じて、顧客とアプリケーションを共同開発してきた。そのIBMが自社のクラウドに統合するかたちで、iOS端末に特化した新しいアプリソリューションを構築していくことができる。

次ページ両社提携の疑問点
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