――あなたからみて、台湾の好きなところと嫌いなところは何でしょうか。
「台湾人には先天的な悲観、後天的な楽観がある」と私はよく言います。台湾は昔から、いつミサイルが飛んできてもおかしくないような(笑)、世界で最も戦争の起こる潜在リスクの高い場所です。だから、私たちは小さいころから世界は不穏で荒々しくあらゆる物事はつねに変化すると思ってきたし、そのことに慣れきっています。
でも台湾人にはある種の変な楽観的なところがあって「大丈夫! きっとよくなるから」と考える。そう信じて物事がよい方向へ変化すれば、今度は全力でそれを応援する、台湾のそういうところが私は大好きですね。あとは情の深いところ、一度信頼できると思えばとことん応援するところも。
嫌いなのは、自信がないところですね。「そんなことをやっても無意味」「どうせうまくいきっこない」とすぐ思ったり、口にしたりしてしまう。臆病でいじけたところがあって。私自身にも実は当てはまります。よいほうに変えていきたいと思っている部分です。
東・東南アジアが月経問題の空白地帯
――日本に期待することは?
今後は、日本のアクティビストや研究者の方々と協力して「月経の問題」というテーマを東・東南アジア全体に広げていけたらと願っています。世界地図を広げてみれば、ヨーロッパやアメリカ、アフリカをはじめ、インドなどの南アジアやニュージーランドといった大西洋太平洋地域でこの問題に取り組んでいる人は大勢います。
ところが東・東南アジア一帯だけがまったくの空白なのです。月経の貧困や差別、汚名化は世界中のどこにも同じようにある問題なのに、です。
台湾と日本は社会が抱える問題やジェンダー規範に関して共通点がたくさんあるし、すでに日本の方からも多くの連絡をもらうようになりました。2023年は東・東南アジアのアクティビストたちと提携を進めるのが大きな目標で、日本の団体はその中心のひとつだと思っています。
――最後に、好きな言葉を紹介してください。
台湾の小説家、三毛の言葉「在有限的空間裡過無限廣大的日子」(限られた空間のなかで無限に広がる日々を過ごす)。そして、私たち小紅帽のトレーナーにも書いている「Rightfully owning our true selves」(当然ながら、私は本当の私の主人である)。
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