――その議論は対面によるものですか。攻撃者は男性が多いのでしょうか。
対面で行ったこともあるし、男性と女性どちらもいます。多くの場合はそこまで強烈な悪意を持っているわけではありません。重要なのは、相手が本当は私たちに何を訴えたいかを理解し、お互いの共通点を探すことです。
「不可能なことは何もない」父親の声が励みに
――あなたに大きな影響を与えた人や物事は?
父です。「不可能なことは何もない」と教えてくれました。もしやりたいことがあれば自分を信じてやってみる、失敗するかもしれないし絶対に挫折もある。でも自分を信じて生きてさえいれば、やり遂げられることは必ずあると。
また、人権への意識を持ち続けること、ソーシャルイシューに関わる大切さを教えてくれたのも父です。
――あなたのお父さん・林作賢さんは、母親(ヴィヴィの祖母)を殺害され、その20年後には同じ犯人によって父親(ヴィヴィの祖父)も殺害されるといったたいへんな経験を乗り越え、教育などの分野で大きな社会貢献をされてきました。
その通りで、私は「アクティビスト」として社会に向き合うことを大切にする家庭環境で育ちました。私が自分をアクティビストであると自覚したのは13、14歳で月経が始まったときですが、民主社会のなかで少しでも世の中をよくしようと変えていくこと、これは私たちの権利であり責任だという意識は小さいころから持っていました。
学校に不合理で不公平な制度があるとして、それを私たちが変えなければ、学校生活は不合理で不公平なままです。現在の私たちの努力がそのまま、どんな未来に私たちが暮らすかを決めるのです。
もう1つ、私たち小紅帽に大きな影響を与えたのが、2021年にThe Diana Award 2021の受賞ですね。それまでは多くの人に「月経の問題なんてやって意味あるの?」「それなら医者になればいいのに」と言われたし、アクティビストという存在を理解してもらえませんでした。
それが受賞を機に、多くの人がポジティブな関心を持ってくれるようになった。自分が信じたことをやっていいのだと世界に肯定されたことが、小紅帽の大きな転機となりました。
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