ヤマ場の3連休、みずほ銀行「未処理取引解消」とシステム完全復旧の行方
システム障害から大量の未処理件数を抱えているみずほ銀行。残された時間はあと1日となり、瀬戸際での作業が続く。
現在、3連休のATM稼働をすべて停止し、未処理取引の解消作業を全力で進めている。15日のシステム障害以来、ピーク時には未処理件数が116万件に達したが、18日の作業で27万件、3200億円分の送金処理を終了。あとは3連休中に89万件(116万件−27万件)のバッチ処理(集中処理)を済ませ、22日の業務開始で立ち上げたオンラインシステムで送金を行い、積み残しをすべて解消するというのがみずほ銀行が考える最善のシナリオだ。
問題はその進捗状況。20日夕方の会見で柏崎博久常務執行役は「数時間遅れている」と説明した。まず、19日に15日分の未処理分の作業を終えた。20日は16日、17日分の合計12万件を済ませる予定だった。しかし、同日夕方時点で16日分をほぼ終えたにすぎず、17日分の集中処理はこれから。「バッチ処理のシステムをレベルアップしたことで、そこへ入れ込む準備に若干手間取っている。準備に慣れればスピードアップも図れることから、遅れをキャッチアップすべく懸命に努力している」(柏崎執行役)という。
今晩中に遅れを取り戻し、連休最終日の21日に18日分(66万件)の集中処理を済ませ、さらに、22日送金予定である通常の処理業務を21日夜に開始する。66万件と数自体は多いものの、ほとんどが給与振り込みでフォーマットも決まっていることから、従来よりもスムーズに作業が進められるという。とすれば、17日分の作業終了のタイミングが大きなカギを握っている。
連休中に予定通り未処理件数が解消できないと、積み残しを抱えた状態が続き、今月の給与振り込みのピークである25日の取引処理に影響が出かねない。
一方、集中処理を最優先しているため、システム障害の原因究明はあまり進んでいないとみられる。個人、法人顧客にこれ以上の迷惑をかけるのを防ぎ、さらなる混乱を招かぬよう、未処理取引の解消を図ることは重要だ。だが、明日、21日夜の段階で十分な原因究明がなされていない場合、翌日以降の業務をどこまで行うのか。
システム障害の明確な対策を打っていない状況で、すべての業務システムを動かすことには不安がつきまとう。今週は取引処理量が前週よりも確実に膨らむだけに、なおさらだ。作業と原因究明の進捗次第では、みずほ銀行は平日業務の方針について難しい判断を迫られる。22日をどう迎えるか。明日は西堀利頭取が会見で説明を行う。
(井下 健悟 =東洋経済オンライン)
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