計画停電の影響は居酒屋にも、震災後一週間の売り上げは半減【震災関連速報】

 

 

東日本大震災は、居酒屋チェーン各社にも大打撃を与えている。東北地域の店舗では入居ビルや什器などが損傷したほか、電気・ガスなどのライフラインがほぼ断絶。関東地域では14日から実施されている計画停電の影響により、自宅待機状態や帰宅を急ぐ会社員が大量に増加していることなどが、売り上げの低下に拍車をかけているようだ。

居酒屋チェーン最大手で「白木屋」、「笑笑」などを手掛けるモンテローザは、 震災の影響で一時70店の営業を停止した。東北地域の店舗は、仙台、石巻、塩釜、多賀城、古川、一ノ関でライフラインが全滅し、床上浸水も発生。同地域を中心に18日時点で20~30店が営業を停止しており、現時点で再開のメドは立っていない。

被害は東北地域だけではない。計画停電が実施されている関東地域では、「他の飲食店が開いていないため、中には”特需的”に客数が増えている店舗も存在する。ただ、売り上げが半分まで落ちこんでいる店舗も多い」(モンテローザ)という。

同じく居酒屋大手で「和民」や「わたみん家」などを展開するワタミ、「うまいもん酒場 えこひいき」などを運営するコロワイドも、同様に売り上げ状況は苦しい。東北地方において、ワタミは11店、コロワイドは約75店で営業を停止中(ともに18日時点)。計画停電の影響を受けている関東地域に関しては、「全般的に売り上げが半減している」(ワタミ)、「詳細は集計していないが、他社と似たようなもの」(コロワイド)と軒並み深刻の度を極めている。

10年度(10年3月~11年2月)の既存店売上高が前年比3%増と、居酒屋業態の中でも健闘していたブリティッシュパブ「HUB」が主力業態のハブに関しても、“売り上げ半減”という状況は同じだ。同社は千葉県新浦安店のみで営業を停止中。首都圏の店舗が7割近くを占めるため、「全国展開のチェーンよりも打撃の度合いは一層大きい」(ハブ)ため、頭が痛い。

今後最大の懸念事項は、計画停電の長期化だ。計画停電の実施以降、都内主要駅周辺は軒並み閑散状態。該当地域の店舗の多くは、営業時間の短縮及び一時休業を余儀なくされている。ただでさえ集客が見込めない状況に加え、計画停電により営業時間の短縮・一時休業が続けば、まさにダブルパンチとなる。

社団法人日本フードサービス協会によると、パブ・居酒屋業態は2011年1月まで10カ月連続で前年割れとなるなど、元々厳しい環境が続いていた。外食業界全体の売り上げは同月前年比0.2%増と7カ月連続で前年を上回っていたが、今回の東日本大震災が回復基調に水を差すことは免れないだろう。

野村證券金融経済研究所の繁村京一郎アナリストは、今回の震災が外食業界に与える影響について、「過去の震災と比べて被災地が広範囲に及ぶことや、余震や電力供給など被災地以外でも消費活動が制限される要素があるため、外食市場の冷え込みが長期化する懸念は大きい」とコメントしている。

 

 

(二階堂 遼馬=東洋経済オンライン)

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