東京ガスLNG権益売却資金3000億円で再エネ拡大 脱炭素など成長領域で30年までに2兆円規模の投資

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このほか棚沢氏は売却の背景として、天然ガスの開発や生産といった上流事業を理解するとの目的が一定程度達成できたことを挙げた。権益の売却後も、従来通りプロジェクトからのLNG調達は行っていく予定で、「悪影響を与えることはないような形で取り組んでいる」と強調した。

成長領域への投資原資を大胆な引き算によって創出

大和証券の西川周作アナリストは権益売却が発表された後のリポートで、「成長領域への投資原資を、大胆な引き算によって創出しようとする経営の姿勢をまずは高く評価したい」とコメント。数百億円規模の売却益につながり、総還元性向50%の方針に基づき株主にも分配されると期待されるという。

東京ガスは30年時点の再生可能エネルギーを利用して発電した電力の取扱量を600万キロワットとする目標を掲げるが、22年3月時点で149万8000キロワットにとどまる。上積みは原発4.5基分以上にもなり、棚沢氏はLNG権益の売却で得られる資金だけでは不十分で「それ以上必要になってくる」と話す。

再エネ電源の取得や開発会社の買収は目標達成の近道となる半面、割高になりかねないリスクもあり是非の判断には時間を要する。最近では国内石油元売り最大手のエネオスホールディングスがわずか約42万キロワットの再エネ電源しか持たないジャパン・リニューアブル・エナジーの買収に約2000億円を投じている。

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著者:稲島剛史、小田翔子

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