前職を短期で辞めた応募者を中途採用する注意点 思い込みは好人材の採用チャンスを逃す
それではここからは、「最初に概ね好きな仕事に就いていた場合」を前提に話を進めます。最初に就いた仕事と、似たような仕事で転職を繰り返しているようなら、「好きな仕事に就いているけれど、転職を繰り返している原因は何ですか」と聞きましょう。
「仕事は好きだけれど、他の理由で、続けられなかった」ということですから、続けられなかった理由が、あなたの会社にもないかを確認しましょう。
最初に就いた仕事と、今回応募した仕事が異なるときは、「もともと興味があった仕事から、どのようなきっかけで他の仕事に興味を持ちましたか」と、聞きましょう。今回初めて、最初の仕事と違った職に就こうとしている場合、違った分野でも、「もともとの興味をどういった点で活かせそうか」を聞き出せます。
また、未経験の仕事に就くために、「どういった努力をしてきたか」を尋ねて、「その分野の本を読んでいます」「資格を取得してきました」などの回答が得られたら、本人の異分野への意気込みも感じられるはずです。
応募者のキャリアを棚卸ししてもらう
別のパターンとして、最初に就いた仕事から転職をして、すでに今回応募した仕事の経験があったとします。その場合、「今まで転職してきた中で、最初の仕事の経験を活かすことはありましたか」と聞くとよいでしょう。
誤解のないようにお伝えしておきますが、「最初に就いた仕事」と「今、応募している仕事」が「合っているからよい、合っていないから悪い」ということではありません。
大切なのは、応募者に自分のキャリアについて、面接の場で改めて棚卸ししてもらうこと、そして根本的な興味を、今まさに応募している仕事でどう活かすことができるのか、応募者本人も会社も一緒に考えることが大事なのです。
本人は意外と「最初の仕事」が、「自分の仕事のやりがい」につながっていることに気づいていません。本人が自分の興味関心がある部分を、あなたの会社で「どう活かせるか」「活かせそうだ」と気づくことができると、応募者は「この会社は私のことを考えている、この会社に入りたい」と思うことでしょう。