みずほ銀行のシステム障害で未処理件数100万件超、原因究明のため3連休は全ATMを休止へ
みずほフィナンシャルグループ傘下のみずほ銀行で生じたシステム障害の原因究明と復旧のメドが立たず、未処理件数が積み上がっている。昨晩からもシステム復旧を続けてきたが、18日早朝に入金ができない状況となり、本日に予定されている給与振込取引62万件、1256億円の入金ができなくなっている。
17日までの未処理件数(50万件、約6500億円)と合わせると、合計100万件以上が処理できていない状態になる。みずほによれば、過去のトラブル時に人海戦術で未処理取引を解消したのは5万件程度。「(未処理分が)何十万件という単位だと、システムを復旧させる以外にない」(西堀利頭取)という。
今回のトラブルについて、一部の取引でシステムの容量を超すものがあり、それがバッチ処理とよばれる集中処理に影響をきたしたことが、障害の原因とみられている。容量超過について、義援金の入金が増えた影響とも見られているが、システム容量を超す初期の事象が何だったのかについては、特定できていない。
早期のシステム復旧を図るため、3連休は店舗内、店舗外のATMをすべて休止。店舗窓口は19日~21日の3連休は店頭窓口を9時~17時まで開けることで、「特例支払対応」を行う。これは、みずほ銀行のキャッシュカードを持つ顧客に対し、ATMが使えない代わりに上限10万円を支払う、というもの。だが、午前中に原則10万円を支払うと発表したが、その具体的な手続きはまだ決まっておらず、本日午後にみずほ銀行が手続きの詳細を発表する予定だ。
現金引き出しの混乱も予想される一方、企業取引の決済についても懸念がある。入金が滞ることで業務に支障をきたすリスクが高まる。西堀頭取は「自行について、(入金遅延の影響で)不渡りにすることはしていない」と話したが、みずほ銀行以外にも他行への決済取引に支障をきたした場合、どのような運用をとるかが問題になる。現在、みずほは他行に対してどのような措置を取ってもらうのか、具体的な要請もできていない。
ほかの銀行にしてみれば、その企業の業績不振で入金がなされないのか、みずほシステムトラブルの影響なのか、区別することが難しい。ある銀行によれば、現時点でもすでにそうした事態が生じており、障害が長期化すればみずほ経由の入金の有無についてさらに難しい判断を強いられることになる。みずほは平日22日からの復旧メドがわかるのは22日未明としている。
(井下 健悟 =東洋経済オンライン)
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