大掃除中にやりたい「将来の片づけ」楽にする方法 20時間の先行投資がこれからの掃除を左右する

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一方で、私たちは対症療法的な「整頓」や「探し物」にかなりの時間を割いています。来客前に慌てて荷物を押し入れにしまいこみ、何がどこにあるかわからなくなってしまったという経験はないでしょうか。『気がつくと机がぐちゃぐちゃになっているあなたへ』の著者リズ・ダベンポート氏によると、平均的なビジネスパーソンは、年間150時間、探し物をしているとのこと。

勤務日数を年間250日(勤務時間は8時間)とすると、仕事中に、1日あたり36分間も探し物に費やしているのです。家庭においても、探し物や忘れ物に思っている以上の時間を費やしているはず。後回しにされがちな「整理・収納」を、事前にしっかりと行うことで、結果的に後々時間を節約することができます。

「20時間の先行投資」が将来の片づけ時間の節約に

そこで、大掃除や出産、転職、引っ越しなど、大きなライフイベントの前には、「20時間分の整理・収納時間」を何としても確保してください。結婚式前に、シェイプアップ目的でジムやエステに通うように、「2時間1セット×10回」の整理を、将来の片づけ時間の節約のための先行投資として実施するのです。20時間あれば、どの家でも、家中の持ち物に定位置を設定できます。毎週末2セットずつ実施すれば、1カ月で完了します。

では、20時間も捻出できないという方は、どうすればいいでしょうか?

そういう場合は、「1カ月後に再整理する」と期日を決めたうえで、一時的に荷物を家の外に避難させます。例えば、出産前に着ていたワンピースやハイヒール、2人目の子どものためにとっておきたいモノ、育休期間中の仕事の書類やしばらく読まない書籍など、「この1年間で触らないと思われるモノ」は、精査せずに段ボールに詰めていきます。

この作業だけであれば、約15分で1箱分詰められるので、夫婦で協力すれば、数回の作業で完了します。モノを詰めた段ボールは、トランクルームなど外部収納に出す、ベランダやマンション内のトランクルームにしまう、1年間だけ実家に置かせてもらう(万年放置は厳禁!)などして一時避難させましょう。

家がスッキリしたら、この状況をキープするための目標を設定します。

①出しっぱなしのモノをゼロにする

②収納スペースに、2割程度「余白」がある状態で、モノの定位置が割り当てられている

次ページ忙しい時には、スペースの「余白」を増やす
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