「言うは易く、行うは難し」であることはわかっている。ただ、それをやらない限りは、プロジェクトは動かない。
そのためには、こまめに雑談する機会を設けるのでもいいし、ミーティングが終了するたび飲みにいくのでもいい。とにかくたくさん話して、腹にあるものを全部吐き出してもらう。そして解決策を探る。そういった「仲間に引き込む」努力は不可欠だ。
自組織の利害を捨てさせるという話ではない。それは消えない。ただ、「このプロジェクトを達成するために、対決するのではなく、自組織の主張、自組織の利害を表に出し、一緒に解決しよう」と思ってもらえるように持っていくことは可能だろう。
そのメンバーにも多少の二枚舌を使ってもらいながら、「自組織の利害も理解しながら、プロジェクトのゴールをともに目指す」ようになるといい。
そういう地ならしをしたうえで、リーダーはプロジェクトのゴールを明確にし、メンバーに共有する。しかし、通常の組織よりさらに細心の注意が必要なのは、そのゴールに対し、メンバー一人ひとりのコミットメントを引き出すことだ。
「表裏」を許容しない仕掛けが必要
プロジェクトチームは、メンバー全員が強くゴールを意識して行動しないとゴールを達成できない。
通常の組織にはルーティンワーク(日常業務)があるから、強い意識を持たずに仕事をしていても、「成果がゼロ」ということはあまりない。日常業務はやっていたよ、となる。
しかしプロジェクトは別だ。極端に言えば、結果へのコミットがなければ進捗しない。「達成するか、ゼロか」だ。だからゴールへの意識、コミットメントが不可欠なのだ。
そのために、自組織の利害を代弁するために差し向けられた「スパイ」をこちらに引き込むと同時に、「裏で文句を言わせない」ということもやっていく。
表だっては「ラジャー!」と言いつつ、裏で文句や悪口を言うメンバーはどこにでもいる。それを「言わせない」仕掛けがほしい。「表裏」を許容する限り、プロジェクトはゴールに向かわない。
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