部署横断プロジェクトが「やっかい」な3つの理由 権限は明確でないのに責任はあるということも

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横断プロジェクトは、結成されたばかりでは「チームになっていない」のだ。だからまずはチームビルディングに注力しよう。

チームとは何か。「共通のゴールに向かって進んでいく集団」だ。共通のゴールがある、ということをみんなで認識し、ゴールを達成するためにみなで協力し合う。リーダーとメンバー間だけでなく、メンバー相互に存在を認め、理解し、協力し合える体制であることが望ましい。共通のゴールを達成するために、協力し合えたほうがいい。全員が仲良しである必要はないが、協力はし合いたい。

だからまずは、共通のゴールをみんなで認識する。すなわちこのプロジェクトの目的をはっきりとさせることが最初の仕事だ。

「睨み合い」状態をぶち壊すためにすべきこと

ここでどうにかして消したいのは「やっかいな要素」の3番目、すなわち「自組織の利害を持ち込まれる」こと。

特に、会社横断のプロジェクトなどで起こりがちだ。自組織の利害を、最初から延々と主張されるのにも閉口するが、「持ち帰って検討します」と言って何も判断せず自組織に持ち帰り、次の機会に「自組織での議論の結果、プロジェクトの意向には反対」と述べられるのも困りものだ。そんなプロジェクトだと進捗しない。

そのためにはなんとか、そういうメンバーに「こちら側の人間」になってほしい。もちろん、自組織と利害が対立する部分もあるだろう。そのメンバーの所属する組織での立場を考えると、利害を無視しては進められないし、簡単なことではない。

ではどうするか。僕の経験上、一番効果的な手段は、そういうプロジェクトメンバーと、自組織のリーダーより仲良くなってしまうことだ。

言葉を選ばず簡単に言うと、そもそもなぜ自組織の利害を持ち込むかといえば、この人のマインドシェアが「プロジェクトチームより自組織のほうが大きい」からなので、これを「自組織よりプロジェクトチーム」にしてしまえばいいのだ。

だからまずは、仲良くなってしまうこと。そのために、たくさん話すこと。そして、その人の自組織が抱えている問題なども聞き出しながら、その利害を理解しつつ解決策を一緒に探れるようにすればよい。

そのためにできることは、すべてやる。これはある意味、常設のチームでもプロジェクトチームでも変わらない、リーダーの宿命だ。

そこまで突っ込めるチームリーダーがリードするプロジェクトは進捗する。ひたすら自組織の利害を言い合うプロジェクトは進捗しない。それだけだ。その「睨み合い」状態をぶち壊すために、メンバーと仲良くなってしまおう!ということだ。

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