尾上右近、歌舞伎の型は「落とし穴でもある」訳 創造性の欠如に気づいた演出家の印象的な言葉
歌舞伎界のプリンスにしてジャンルを超えたマルチな活躍で注目を集める尾上右近さんが、この年末年始に詩楽劇『八雲立つ』でスサノオを演じます。荒ぶる神の物語は30歳になった右近さんにどんな気づきを与えてくれるのでしょう。
本業の歌舞伎や清元だけでなく、ドラマやミュージカル、バラエティまで幅広い活躍で注目を集める尾上右近さん。この年末年始にはまた新たなジャンルの舞台に挑戦します。詩楽劇と銘打たれた作品『八雲立つ』(12月30日~)にかける意気込みと、歌舞伎俳優という仕事に対する今の思いを伺いました。
スサノオは男そのもの。超越した説得力がある
── まず、今回の詩楽劇というのはどんな舞台なのでしょう。
右近:日本古来の神楽(かぐら)などの伝統芸能をベースに、西洋のクラシックなどの要素もミックスさせた、音楽劇と言いますか。和楽器があってヴァイオリンがあって、そういう音楽を背負いながらそこにセリフもあるし歌もあるという感じですね。
── ストーリーとしては日本の神々の伝説を描いているとか。
右近:はい、僕は日本の国づくりに大きな役割を果たしたスサノオの役で、彼の成長物語を軸に、イワナガヒメとの魂の交わりが、古事記をもとに展開されていきます。
── そのイワナガヒメを元宝塚の水夏希さんが演じ、ヴァイオリニストの川井郁子さんが演奏されるなど、古典芸能以外の世界の方たちとの共演になります。
右近:そうですね。でも、全体をまとめるのが日本舞踊の尾上菊之丞先生ですし、歌舞伎的な要素も入りつつ、になりそうです。
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