企業から個人向けのSMS(ショートメッセージサービス)の配信代行を担うアクリートが3位にランクイン。個人認証やマーケティングなどの用途が主で、平均増収率51.3%と高い成長が続いている。
とくに足元で伸びているのが、自治体などの新型コロナのPCR検査結果や感染患者への健康状況確認などの連絡手段としての用途。2022年12月期もこうした新型コロナ関連の需要が強く、会社側は8月、11月と2度にわたって従来の業績予想を上方修正しており、営業利益は前期比2.8倍となる見通しだ。
5位のsantecは、光通信関連の研究開発や生産などに使用される光部品事業と、波長可変光源や各種光測定装置などの光測定器事業を展開。光測定器事業は前期買収した子会社の貢献が拡大するほか、産業用で半導体シリコンウエハ製造関連の需要が好調。医療用もアメリカで眼科向けの販売が拡大する。円安も業績の押し上げにつながり、営業利益は前期比2.2倍となりそうだ。
首都圏や近畿圏の高価格帯を中心とする介護付き有料老人ホーム運営で高成長を続けているのが、7位にランクインしたチャーム・ケア・コーポレーション。2005年4月に第1号ホームとなる「チャームやまとこおりやま」を開設以来、着実に運営施設数を拡大。2022年9月末時点では2021年に買収した同業のライク運営分も含め、78ホーム、5000室を超える居室数を展開する。
参入障壁が高く、住宅型老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅と比較して収益性が見込める介護付き有料老人ホームに経営資源を集中していることにより、売上高の拡大とともに利益面でも高い伸びが続く。
今2023年6月期は既存施設の入居率が高水準を維持するとともに、第2の柱と位置づける好採算の不動産事業(自社開発した有料老人ホームなどの売却)の貢献もあり、営業益は87.5%増となる見通し。
成長余地が大きい未来のテンバガー候補
10位以下にも多彩な事業を展開する成長企業が並んでいる。15位のメドレーは、医師や介護職などヘルスケア領域向けの成果報酬型人材紹介を軸に、スマホアプリやビデオ通話機能などを使ったオンライン診療システムや、電子カルテといった領域にも取り組む。
23位のBuySell Technologiesはシニア層の生前整理、遺品整理などを中心に着物やブランドバッグ、ジュエリーなど高単価商材の出張買い取りを展開。買い取り件数が増加していることに加え、1件当たりの金額も上昇傾向にあり、今22年12月期は44.7%の営業増益予想となっている。
31位のSHIFTは「ソフトウェアテストのプロ集団」を標榜し、従来、ソフト開発者が内製で行ってきたテストや品質保証を専門で受託。非IT人材をテスト技術者に育成するノウハウを持ち、拡大するソフトウェアテストのアウトソース需要を取り込んでいる。
32位のMacbee Planetは、独自システムによるLTV(顧客生涯価値)予測をもとに、証券会社の口座開設やエステ店、化粧品ECなど向けにWeb広告による集客支援コンサルを行う。
成熟期に入った大企業と異なり、時価総額がまだ小さい伸び盛りの企業は中長期的な成長余地が大きい。規模が小さいだけに競争環境の変化などにより業績が変調するリスクには注意が必要だが、ランキングに入った中小型成長株から「未来のテンバガー(株価が10倍になること)」候補を探すのも醍醐味だ。
なお、『プロ500』の誌面では、業績やテーマ性、株価の動向などをもとに全上場企業から500銘柄を厳選して掲載。ランキング上位に入った銘柄でも誌面で非掲載となっているものもある。『プロ500』に非掲載の企業については、全上場企業を掲載している『会社四季報』やオンライン版の『会社四季報オンライン』で業績予想の背景などをチェックしていただきたい。
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