「サウナ好きの独身男性」が失い続けているもの 快感を得る一瞬の幸せは「本当の幸せ」なのか

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さて、ここから本丸である「ウェルビーイング」のお話となります。「ウェル」は「充実」を指す言葉であり、「ビーイング」は「状態」を指す言葉です。つまるところ「充実した状態」が幸福であるという、ごく素朴な話に聞こえるでしょう。

しかし、長きにわたってGDPが伸び悩み続け、生涯未婚率も上昇し続けている日本において、このウェルビーイングこそが、今後ますます重要になっていくのです。事実、2021年からは内閣府の政策運営にもウェルビーイングの観点が取り入れられるなど、国をあげて「幸福」に向き合う姿勢があらわれ始めています。

日本だけではありません。SDGs(持続可能な開発目標)が世界的な取り組みとして受け入れられたことを考えても、もはや「お金やモノ」だけを幸せとして追求する姿勢は、なるべくすみやかに転換していくべきです。

それでは、わたしたちが個人レベルでウェルビーイングを手に入れるには、どうしたらいいのでしょうか。

ウェルビーイングに重要なのは「利他心」

冒頭で、ウェルビーイングをこう定義しました。「利他心によって体感できるもの、数値化しにくいもの」。この「利他心」がとても重要なのです。

とはいっても、難しいことではありません。例えば、この記事を読み終わった直後から実行できる行動の1つとして、「挨拶」や「お礼」が挙げられます。挨拶をされて嫌な気持ちになる人はいません。職場や学校で挨拶やお礼をおろそかにしていたと感じるのなら、ぜひチャレンジしてみてください。

恥ずかしければ、バスの運転手さんやコンビニの店員さんなど、見知らぬ人相手から始めて構いません。そのほか、ちょっとした募金をする、お年寄りに席をゆずる、犬や猫と触れ合う、といった行為も、ウェルビーイングにつながります。

これだけでは物足りない方もいるでしょうから、もう少し“中級者向け”の行動も紹介しましょう。

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